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PhotoWindows PC 用の DAT ドライブで音楽用テープを読み取りたい

ジャンクの DAT デバイスが手に入った。音楽用 DAT の読み取りに使えそう。ファームウェアの更新をしたりして奮闘するも,結局ハードウェアのエラーで使えなかった。

■ ■ ■
DAT デバイス
DAT デバイス


パソコンのバックアップ用に使っていた DAT ドライブが手に入った。もしかするとこのデバイスで音楽用 DAT テープから音声データが取り込めるかも知れない。La Rue Des Etoiles さんが DDSでDATからWaveファイルを にまとめている。膨大な情報がある。素晴らしい。

SCSI 接続の DAT デバイスを Windows 98SE のマシンに接続する。SCSI コントローラは Tekram DC-390

認識されたデバイスを調べる

DAT デバイスが何なのかは,パソコンの電源を入れて OS の起動に入る前に調べることができる。SCSI コントローラのメッセージが表示されたら,セットアップ画面に移るキーを押す。このマシンでは「F2」または「F6」だった。「Device Information」を選択すると,次のように表示された。

ID-LUN 0-0 ARCHIVE 4326XX 27871-XXX316

デバイス名は「ARCHIVE 4326XX 27871-XXX316」というものらしい (最初の方は SCSI の ID)。DDS2 に対応しているデバイスである。

OS の起動中に一般保護エラーで停止する

DAT デバイスを接続して電源を投入すると,Windows 98SE 起動中に停止する。黒い画面の一番上に次のメッセージが表示されて反応がなくなるのである。

Windows保護エラーです。コンピュータを再起動してください。

再起動すると,セーフモードでの起動となる。このエラーの対処法は パソコントラブル パソコンQ&A FWINDOWS.com で見つかった。CONFIG.SYS の記述を見てみると,確かに

DEVICE=C:\WINDOWS\EMM386.EXE RAM

となっている。これを次のように書き換える。

DEVICE=C:\WINDOWS\EMM386.EXE NOEMS

そして再起動。なるほど起動するようになった。

デバイスドライバがない

デバイスマネージャの表示
デバイスマネージャの表示


デバイスマネージャを起動してみると,デバイスドライバが見つからなかったため「その他のデバイス」として分類されている。デバイス名は最初に調べたものと同じ「ARCHIVE 4326XX 27871-XXX」である (よく見ると最後の数字「316」がついていない)。しかし,このままでいいらしい(WaveDATを正常に動作させるための設定方法)。

DDSドライブによるDAT再生/録音用ソフト WaveDAT を起動すると,「テープドライブがありません」というメッセージが表示される。ファームウェアを更新して,音楽用のテープに対応しないと認識しないらしい。

ファームウェアをアップデートする

audio firmware for dat drive にダウンロードできるファームウェアが公開されている。「ARCHIVE 4326XX 27871-XXX316」というデバイス用のファームウェアをダウンロードして展開する。実行形式のアーカイブを少し怖いので,アーカイブソフトにドラッグして展開。

  1. Windows 98SE 起動用フロッピーを作成
  2. 展開したファイルをフロッピーにコピー
  3. SCSI コントローラ Tekram DC-390 用の ASPI ドライバをフロッピーにコピー
  4. CONFIG.SYS の ASPI ドライバの記述を編集
  5. Windows 98SE をシャットダウン
  6. ジャンパを全部 OFF にして SCSI ID を 0 にして接続
  7. フロッピーで起動

次のメッセージが表示された。

fup -- Seagate Tape Drive Firmware Update Program - v2.5
Copyright (c) 1997-2000 Seagate Removable Storage Solutions, LLC.

Searching for Seagate DAT tape drives...
  For SCSI:      ID<n> is Target SCSI ID
  For IDE/ATAPI: ID0=Master, ID1=Slave

*** Controller 0: ADAPTEC ASPI com -- DOS SCSIMGR 3.2
DAT Drive(0)     ID0   [ARCHIVE 4326XX 27871-XXX0316] Tape


TAPE DRIVE(0) SELECTED
Examining firmware file content...

Firmware will be updated from version 0316 to 5.AC.
Firmware Update in process.
   DO NOT remove power!
   DO NOT exit the program!
This may take up to 2 minutes.  PLEASE WAIT.................................

Updated drive Inquiry: [ARCHIVE Python 01931-XXX5AC ]
Firmware update completed successfully.
Please send the A:\PRESENT.TXT to datfirmware@xs4all.nl and indicate if the update was successful
A:\>

ファームウェアのアップデートに成功。元のファームウェアのバージョンは 0316 で,5.AC にバージョンアップされている。SCSI マネージャで見たときのデバイス名の最後についていた番号「316」が,ファームウェアのバージョンを表していたのだった。これがバージョンアップによって「5AC」に変わった。メッセージの最後には,A:\PRESENT.TXT をメールして欲しいと表示されている。フロッピーは書き込み可能にしておいて実行した方がいいだろう(何も考えずに書き込み可能のままだったので問題なし)。

準備完了,しかし…

ファームウェアをアップデートし,音楽用 DAT に対応させることができた。再起動して WaveDAT を起動する。やった! DAT デバイスがテープドライブとして認識されている。ヘッドのクリーニングをして,DAT のテープを入れる。しかし,ここではまだ大切なテープは入れられない。ソフトウェア的には大丈夫でも,ハードウェア的に不良であればテープが絡まってしまう危険性があるからである。最悪はテープが出てこない場合もあり得る。ヘッドのクリーニングは,フタを開けて綿棒にカセットテープ用のクリーナー液をつけて行う。この時の注意としては,クリーニング後すぐにテープを入れてはいけないということである。回転するヘッドが濡れていると,テープを巻き込んでしまうことがあるからだ(以前,ビデオデッキのヘッドをクリーニングして痛い目にあったことがある)。

Wave DAT のハードウェアエラー
Wave DAT のハードウェアエラー


テープを入れたが,何も起こらない。よく見ると「Hardware Error」と表示されている。ショック。ここまで来てなぜ…。オーノー!

オレンジ色の LED が高速で点滅
オレンジ色の LED が高速で点滅


DAT の正面を見てみると,オレンジ色の LED が高速で点滅している。どうやらハードウェアに問題があるのは本当のようだ。ソフトウェアで問題がなくてもハードウェアで問題があることがある,というケースに当てはまってしまった。こんな嬉しくないケースに出合ってしまうとは…。

追記:
文中には,「デバイス」と「ドライブ」という表現が混在しています。単に機器を指す場合は「デバイス」,これを PC が認識すると「ドライブ」となります。微妙なのは「PC 用」をつけた場合です。「PC 用の DAT ドライブ」というか「PC 用の DAT デバイス」というかは悩ましい問題です。「PC の DAT ドライブ」,「PC 用の DAT デバイス」が正しいのかも知れません。

2006年7月22日追記: 正常に動作する DAT デバイスを見つけました(nlog(n): DAT デバイスを分解清掃)。その後,さらに状態のよいものを見つけ(nlog(n): 状態の良い DDS2 デバイスを見つけたが),2台になってしまいました。

Posted by n at 2005-07-22 21:32 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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