こちらの本人確認を求める前に,お前が本人であることを証明しろよ。
昨日,クレジットカード会社から電話があった。必要な情報が不足しているので,確認させて欲しいとのこと。確認することには問題はないのだが,確認方法に問題があった。しかも電話番号非通知でかけてきたのでカチンときた。私の名前は権兵衛{ごんべえ}であるとしよう。
カード会社(女性の声で): もしもし。こちらは権兵衛様のお電話でしょうか。
私: はい,そうです。
カード会社: お申込いただきましたカードですが,お作りするのに必要な事項が不足しておりましたので,いくつかご確認させていただきたいのですがよろしいでしょうか。
私: いいですよ。
カード会社: それでは,まずご住所からお願いします。
私: おい!
乱暴である。電話をかけてきたのは,カード会社であると名乗っているだけで,実体は不明だからである。「カード会社」と称する悪徳名簿業者かもしれないのだ。しかも,電話番号は非通知でかけてきているので,ますます怪しい。
ここで私がそのまま答えたら,相手は私の住所やら生年月日やら勤務先やらの個人情報を簡単に手に入れることができてしまう。オレオレ詐欺の手口と同じである。おっと,最近はオレオレ詐欺とは言わないんだっけか (振り込め詐欺 - Wikipedia)。しかし,相手が手にするのは情報であって,お金ではないから「振り込め詐欺」ではしっくりこない。「なりすまし詐欺」くらいが適当だろうか。まあ,名称はどうでもよい。
相手が本物かを聞いてみることにした。
私: そちらがカード会社であることを確認することはできますか?
カード会社: 電話番号を通知でかけなおせばよろしいでしょうか?
私: (なぜ質問で返すのだ? と思いながら) その電話番号がカード会社のものである証明はできますか?
カード会社: 少々お待ちください (しばらく保留音が流れる)。それでは,これから申し上げます電話番号に電話していただけますでしょうか。日曜祝日は休み,10:00から18:00でございます。
私: (なぜ営業時間を言っているのだ? と思いながら) ご担当のお名前をいただけますか?
カード会社: 角(仮名)と申します。
私: この電話番号に電話して,角様をお呼び出しすればよろしいですか?
カード会社: 私にはつながりません。電話に出た者で分かるようになっております。「カードセンター銀行カード業務代行」になります。
私: ……(うーむ。それで営業時間を言っていたのか…)。
こちらから電話すれば,相手の信頼度は増すことになる。しかし,こちらで電話代という費用負担が発生するという問題がある。しかも,時間も手間もとられていいことは何もない。もし相手が言った電話番号が本当にクレジットカード会社のものでなかったら…と考えると,疑問はどこまでもなくならないことになるが,こればかりに付き合っている暇もないので,このあたりでまあいいかとすることにした(実は,先日,銀行に口座を開いた際に,行員の勧めでクレジットカードの申込をした ので,タイミング的にはおかしくない問合せではあったのだ)。
電話をかけてみると,最初に名前の確認があった後,聞かれたのは勤務先の電話番号だけだった。さっき住所を聞いてきたのは何だったのだろうか。
この確認に関しては,上のような手続きの方法以外にも問題がある。私が申し込んだのは銀行であって,カード会社ではない。だから,確認が必要ならば,銀行がすべきことなのだ。私は手続きをした際に,「ここにご記入をお願いします」と指定された箇所すべてに記入をした。私に落ち度はない。そして,実はカード会社にも落ち度はなかったりする。カード会社は,必要項目を事務的に埋める作業をしているだけだからだ。落ち度は銀行にある。銀行のチェックミスなのだ。しかし,最終的な確認の時には,銀行は不在。IT業界で言うなら,ソフトの発注をしたら,いきなり下請けから問合せがきたのと同じである。元請はどこへ行ったのだ? これでは改善が見込めないではないか。
銀行やクレジットカード会社には次のことを望む。何か仕組みをつくることだ。
これと似たようなことは,つい先日もあった。銀行の窓口で10万円以上の振込をした時だ。2007年1月4日からは本人確認が必要なはずなのだが (今般の本人確認法施行令の改…:金融庁),窓口で本人確認されないうちに振込は終了。その日の夜になって「本人確認を忘れておりました」の電話があった。その時も結局こちらから電話をかけた。電話代がかかるのも,本物の銀行かも分からないのも不満。なんとかして欲しいものだ。
Posted by n at 2007-05-27 05:38 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
Master Archive Index
Total Entry Count: 1957