ノートパソコン用に購入した PCMCIA タイプの SD カードリーダが遅い。速度を計測することにした。
しばらく前に買った,ノートパソコン用の SD カードリーダがある (nlog(n): 限定品のカードアダプタ ADR-MSSMK)。PCMCIA スロットに入って邪魔にならないので,本体に SD カードリーダのついてない ThinkPad T61 では重宝しているのだ。USB のカードリーダは出っ張るし,紛失する可能性もある。
しかし,このカードリーダ,どうも遅い。デジカメのフォルダを開いてもサムネイルが「バーッ」と表示されないのだ「パタ・パタ・パタ」というように表示に時間がとてもかかる。気になったので速度を測ってみることにした。
環境は Windows Vista Business Service Pack 2。使用したソフトは HD Tune Version 2.55 である。
実行結果は上の図の通り。読み込み転送速度の平均は 1.0 MB/s となった (有料版 HD Tune Pro は書き込みも測定できる)。デジカメの画像ファイルの大きさは約 1 MB なので,1枚表示するのに1秒ずつかかることになる。これは遅い。もちろん,この速度には SD カードの読み出しも含まれているので,カードリーダだけが遅いというわけではない。SD カードは Kingston SD-M02G (2 GB) である。
PCMCIA タイプのカードリーダが遅いからと言って,USB タイプを持ち歩くのも,新たに速い PCMCIA タイプを購入するのもなぁ。微妙。
デスクトップ機に使っている USB タイプのカードリーダ Green House GH-CRDA13-U12 で同様に測定してみると,平均 17.8 MB/s となった。SD カードは上のものと同じ Kingston SD-M02G (2 GB) である。こちらの方が断然速い。
さて,上の計測結果が数値だけでなくグラフにもなっているのは,HD Tune がカードの読み出す位置を変えながら測定を行っているからである。シリコンタイプのカードでは,位置を変えても速度は変わらない。これに対し,ハードディスクの場合は位置によって速度が変わってくる。ハードディスクは外周から使っていくので,0 % の位置が外周の端,100 % の位置が内周の端になる。かつては外周と内周で同じ数のセクタでフォーマットされていたため,どこでも速度は同じだった。現在は外周の方のセクタ数の方が多いフォーマットが採用されているため (ITPro ハードディスク・ドライブの内部構造),外周の方が速くなる。したがって,HD Tune のグラフは右下がりのグラフになる。ハードディスクとしては,外周は速度が速いし,磁気ヘッドは外周のそばに退避する構造になっているので,外周から使うというのは合理的なのだろう。
ThinkPad T61 のハードディスク Fujitsu MHZ2160BH G1 (160 GB) で測定してみたところ,外周は速く,内側にいくにしたがって遅くなるグラフになった。
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