シネスイッチ銀座で上映中の「真珠の耳飾りの少女」を観る。地味な映画の割には人気があるようで、毎回ほぼ満席状態。フェルメールの「青いターバンの少女」を題材にして、美しい映像でつづられる。だが、残念なことに内容が乏しかった。
映画のサブタイトルは「フェルメール"青いターバンの少女"に秘められた物語」。しかし、秘められた物語とは、簡単に言ってしまえば「モデルは使用人」であった。
気難しいご夫人、意地悪な娘、わがままなパトロン、我慢する夫それはフェルメール。それにしても、フェルメール、子ども作り過ぎ。モデルである使用人の少女には、肉屋で働く頭の悪そうな男が言い寄ってきて、恋仲になるのだが、描き方が中途半端。物語の終わりも中途半端。レインドロップ型の真珠は大きすぎる。
フェルメールに画商だった感じがまったくないのが納得できない。芸術家風で、ミステリアスで男らしくて格好いいのだが、格好良過ぎる。しかし、芸術家風でないと、映画として成り立たないような気もする。
この映画の一番の見所は、フェルメールの妻カタリーナ役のエッシィ・デイビスの演技である。美しくなく、むしろ醜いという難しい役どころだが、芸術を理解できないことから生まれる悲しみを見事に演じきっている。
数年前、「青いターバンの少女」をオランダに見に行った。ひび割れているのに、描かれている少女は瑞々しいという不思議な絵だった。
さて、ここからは映画の内容とはまったく関係がない話。映画が始まって30分くらいすると、いびきが聞こえてきた。静かな場面では劇場内に響き渡っていた。最悪である。隣にいる連れの人が止めるべきだ。1人で観に来るくらいの意欲がある人であれば、まず寝ることはない。必ず2人以上で来ているはずだからである。
夕食は有楽町のガード下にある「Barden Barden (バーデン・バーデン)」へ。店の名前はドイツの町の名前からとっている。店の中は大賑わい。繁盛している。
全体的に値段が高め。生ビール(ホフブロイハウス・ミュンヘン)の中ジョッキが 790円、チーズ盛り合わせ 1280円。その割にはボリュームが少なめなのが残念。チーズ盛り合わせに一切れだけ入っていたクリームチーズは「ババリアンペッパー」というそうだ。これが実に美味しかった。
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