商用プロバイダのネットニュースは,外部ドメインからは購読することができない。自宅のプロキシを経由すれば購読が可能になる。プロキシには DeleGate を使い,接続する際には認証を行うように設定する。
商用のインターネットサービスプロバイダでは NetNews のサービスを行っているところが多い。しかし外部からは NetNews サーバにアクセスすることはできない。当たり前である。
サービスの対象が同じドメイン内のクライアントに限られているからである。そこで,プロキシサーバを自宅で動かし,これを経由して NetNews サーバにアクセスできるようにする。
プロキシサーバとしては DeleGate を利用する。Linux だけでなく,Windows 98 でも動いてしまう優れものである。DeleGate へのアクセスをオープンにしてしまうと誰でもアクセスできるようになってしまうので,セキュリティ的によろしくない。DeleGate に接続する際には,認証を行うようにする。IP マスカレードを行っている自宅の ADSL モデムには,ポートマッピングの設定が必要になる。
DeleGate のコンパイルは簡単である。Vine Linux なら gcc がそのまま使える。Windows であれば,Cygwin の gcc が使える。以下は Vine Linux 2.6 の例である。
プロバイダによっては,NetNews サーバの設定に問題があることがある。この場合は,ソースに変更を加える必要がある(nlog(n): DeleGate 8.9.2 + 個人的な修正)。DeleGate のコンパイルができたら,インストールする。インストールは,出来上がった src/delegated をコピーするだけである。ここではディレクトリ /usr/local/etc にコピーする(どこでもよい)。
次に,起動ファイルを用意する。/etc/rc.d/init.d にある,他の起動ファイルに習って自前で用意する。前半部分は,例えば次のようになる(全部はこちら→ delegated)。
OPTIONS が delegated の起動オプションになる。-P119 は「ポート 119 を開く」を意味している。ここでは,NetNews が使うポート番号と同じ 119 を指定しているが,「8119」などの違うポートを使った方がセキュリティの強度はアップすると思われる。「MOUNT」オプションには,プロバイダのニュースサーバを指定する(この例は So-net の場合)。ニュースサーバの後ろについている「ro」は Read Only の意味である。このオプションをつけると,ニュースの購読はできるが投稿はできなくなる。「ADMIN」には自分のメールアドレスを指定する。「AUTHORIZER」は認証のためのオプションである。この設定では,FTP で認証を行っている。つまり,接続する際のユーザ名とパスワードは,自宅サーバの FTP 接続時のユーザ名とパスワードを使うことになる。その他,詳しくは DeleGate reference manual を参照されたい。英語が苦手という場合は Short Tutorial for Beginners of DeleGate で雰囲気をつかむとよい。
上記の起動ファイルの例 delegated を(メールアドレスを書き換えて),/etc/rc.d/init.d に置く。もう少しキレイに書けそうだけど,まあいいや。
setup コマンドで,Linux 起動時に自動的に delegated が起動するように設定しておけばよい。
ログは /var/spool/delegate-nobody 以下に出力される。所有者を nobody にして作っておくとよい。
普通の NetNews の購読と投稿は,Googleグループ から簡単に行うことができる。上記は,特殊なニュースグループ専用の設定である。
2007年7月31日追記:
ついにネットニュースサービスが終了してしまうのでした (nlog(n): ネットニュース時代の終わり)。
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