古本屋で「男おいどん」全巻セットを見かけた。1週間悩んだ末に思い切って購入した。
先週,古本屋で松本零士 (松本零士 - Wikipedia) の「男おいどん」を見つけた。全9巻セットで945円と格安だが,状態がよろしくない。「処分品 状態×」となっている。衝動的に買うのはやめて1週間考えることにした。
悩んだ末,やはり購入することに決定した。購入前には,紐を外して中の状態を見させてもらった。本当に状態のよくないものは1巻と2巻だが,その他はまあまあというところ。もともとが古いものなのである程度は仕方がない。このセットは昭和50年くらいの第6刷のものが多かった。
男おいどんは,松本零士が宇宙モノで有名になる前の代表作である。九州から上京した青年,大山昇太(おおやまのぼった)が下宿先で繰り広げるドタバタの話。チビでメガネでインキンタムシで,言葉をしゃべる鳥と一緒に4畳半の部屋に住んでいる。押入れを開けるとパンツとサルマタケがなだれ落ちてくる。サルマタケとはパンツに生えるキノコの名前である。山ほどある縦縞のパンツは,布団の代わりにもなるのであった。何人もの女性に恋心をいだくが,叶うことはない。そんな青年の淡々とした日常を描いている。
男おいどんは今でも根強い人気があるらしい(男おいどん - Wikipedia)。単行本の表紙は 「男おいどん」 で,登場人物は 男おいどん人名辞典トップ で見ることができる。松本零士の作品一覧は 松本零士作品リスト にある。
男おいどんに出合ったのは小学校5年生頃で,友だちから第7巻だけを貸してもらったのが最初である。銀河鉄道999は連載が始まっていたが,アニメ化はまだ先のこと。全編に渡って流れるペーソスが味わい深く,何度も読み返した。今思うと,内容的に小学生には,ちと早いのだが何故か気に入ってしまった。中学になると松本零士のマンガに一層のめりこみ,小遣いを使って,1か月に1冊ずつ,ワダチ,ミライザーバンなどを買った。親に内緒でちょっとエッチなセクサロイドやインセクトも読んだ。毎日男おいどんの似顔絵ばかり描いていた。中学校の同級生の中に,珍しいことに松本零士ファンが1人いて,同じようにペーソスが好きで話があったのである。挨拶は「ごっつぁん」。これはセクサロイドに出てくる暗号である。
マンガ本は親に捨てられた。男おいどんも捨てられ,その後に買った文庫版の男おいどんも捨てられてしまった。教育上よくないと思って捨てるのか,それとも単に邪魔だから捨てるのか分からない。問いただしたこともない。親にとって子どもの持ち物というのは割とどうでもいいものなのかも知れない。
男おいどんとは本当に久しぶりのご対面。子どもの頃に読んだ時とはまた別の感想を持つのだろうか。
ペーソスとは「パトス pathos」の英語読みで,物悲しさや哀愁を表わす言葉である。
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