「従業員以外,開閉しないで下さい!」という貼り紙があった。もし開閉したくなったときにどうすればいいのか分からないので,代案を考えてみることにした。
こんな貼り紙があった。
従業員以外、開閉しないで下さい!
このメッセージから読み取れるのは次の3点である。
従業員以外が開閉作業をすると,手を挟むとか,窓枠が外れるとか,留め具が外れて窓が落下するとか,とてつもなく不快な音がするとか,何らかのよくないことが起こるのだろう。あるいは厳密な温度管理が行われているのかもしれない。その理由は分からない。
さてここで,窓が開いていると雨が吹き込んでしまうので閉めたいとしよう。しかし,自分は従業員ではないので開閉することは禁止されている。どうすればいいのだろうか? この貼り紙に書いてあれば親切である。そこで,貼り紙の代案を考えてみることにした。以下では,開閉したいと思っているのを「自分」と表現することにする。
開閉のときは従業員を呼んでください。
これだと,自分で開閉してから従業員を呼ぶという人もいるかも知れない。禁止の指示が弱いのだ。
開閉は従業員が行います!
これだと,よく読めば自分でやってはいけないと分かるが,間違いが起こる可能性もある。従業員以外はやってはいけないとは言っていないが,わざわざ掲示していることを考えれば分かる。
開閉は従業員だけが行います!
論理的には正しいが,何がいいたいのか分からない。「だから何?」系。開閉したい場合はどうしたらいいのかが分からない。
開閉したいときは従業員が行いますので呼んでください。
開閉したいのは自分だが,開閉できるのは従業員なので,1つの文の中に2つの暗黙の主語があるため論理的な文ではない。
開閉したいときは従業員が開閉を行いますので呼んでください。
文は論理的になったが,「開閉」が2回出てくるため冗長。
触らないで!従業員が開閉します。
「いや〜ん」という声が聞こえてきそう。「ツンデレなの? もしかして新しいプレイ?」と誤解してしまいそう。
従業員が開閉しますので,触らないでください。
「開閉」を2回言わないようにするために「触らないで」を使うのがよくないらしい。「触らないで」を見た後だと,「開閉」もどことなくエッチい感じがしてくる妄想が。「従業員がどこを開閉してくれるのだろうか,ムフフ」などと思ってはイケナイ。
従業員が開閉しますので,呼んでください。
これだと,開閉したくなくても従業員を呼んでしまうかも知れない。「呼んでください」というお願いを独立に読む可能性があるからだ。
やはり変えない方がいいかも。
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