キリギリスをタマネギで釣るという方法を発見した人は天才。
キリギリスとは,夏に草むらで「ギィーッ…チョン」と鳴くバッタである。イソップ寓話では,夏のうちに歌っていて冬に痛い目にあうということで有名だが,もともとの話は「アリとセミ」だそうだ。ギリシアからアルプス以北に伝わる際に「アリとキリギリス」に改編され,これが日本に伝わったものとのこと (アリとキリギリス - Wikipedia)。
さて,キリギリスは捕まえるのが非常に難しい。鳴いているところに不用意に近づくと鳴き止んでしまい居場所が分からなくなるし,驚かすと葉の上から下にポトリと落ちて逃げるので,見つけられなくなるし,手も届かなくなるからである。そんな中,「タマネギで釣れる」という情報を見つけたので (キリギリスのつかまえ方。: 小坂分校☆アマミ資料室),試してみることにした。
驚いたことに,まんまと釣れた。
これに気をよくして色々試したので,以下にまとめておく。手順は以下の通り。
この捕獲方法の醍醐味は,キリギリスがタマネギの魅力に惑わされていく様子を目撃できることである。タマネギをキリギリスの目の前に垂らすとキリギリスがタマネギに乗り移ってくるが,最初はこのエサを全面的には信頼しておらず,後ろ足を草に引っかけたままの状態で頑張る。その後,タマネギを少しずつ持ち上げると,タマネギの魅力に負けて後ろ足を葉っぱから離す。キリギリスにとって,タマネギは自分の状態が危険になることを忘れてしまうほど魅力的なのだ。
これは,妻子ある身でありながら,目の前に据え膳がぶら下がっていたら,あと先考えずにいただいてしまうという男の性にとてもよく似ている。見るのは楽しいが,その度に胸が痛む。
キリギリスにあたっては,メスであってもタマネギの魅力は同じ効果がある。上の写真はメスである。産卵管がついていることからメスだと分かる。
しかしやはり釣りやすいのはオスである。鳴いているから見つけやすく,見つけられれば釣るのは簡単だからである。
そうは言っても,この捕獲方法の最大の難関は,キリギリスを見つけることである。キリギリスを見つける方法は,基本的にはセミを見つける方法と同じである (nlog(n): セミの見つけ方)。ただし,鳴き声が聞こえる位置よりやや上の方にいることが多い。鳴き声と実際にいる場所が若干ズレているのである。キリギリスは葉っぱの上にいる。ノソノソ動きながら鳴いていることも多いので,居場所が移っていくこともある。
エサはキュウリでもいいという情報がある (はっぴーゆきだるま.COM 〜きりぎりす〜)。手元にキュウリがなかったのでウリで試してみたところ,見向きもされなかった。2匹に試したが,2匹とも逃げられた。ウリでは釣れない。タマネギはエサとして最強だが,ごく稀に釣れない個体もある。一度使ったタマネギでは釣れないので,すぐに交換すること。
ポイントをまとめておく。
2012年8月22日追記:
動画を撮影しました (nlog(n): タマネギの魅力に堕ちていくキリギリス動画)。
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