温水洗浄便座には「ビデ」ボタンがついているものがある。もともとは女性用のボタンだが,痔持ちの男性にも使える。
私の友人が,ヨーロッパ旅行をしたときの武勇伝 (?) を話してくれた。フランスにいたときにリンゴを買ったのだが,ホテルには冷蔵庫がなかった。ふと浴室を見ると,あまり日本では見かけないけれども,小さめの便器のような形をしたものがあって,ちょうどいいことに水を溜められるように蛇口までついていた。そこでリンゴを冷やして美味しく食べた。帰国後にそれが何であるかを知り,驚愕のあまり くぁwせdrftgyふじこlp となって,しばらくリンゴが食べられなかったという。
使ったのはビデだったのである (ビデ - Wikipedia)。
温水洗浄便座は各社から出ているが,TOTO のウォシュレットがオリジナルであり一番有名でもある。使ってみても,気持ちがよく,よくできているように思える。温水洗浄便座のグレードの高いものには「ビデ」ボタンがついている。これに「ムーブ」機能がついているとなおよい。
「ビデ」機能は,もともとは女性のために提供されているものだが,男性用のトイレにもついていることがある。男性用だけにその機能だけを削ってもそれほどのコスト削減にはならないからだろう。
このボタンを見つけた最初の頃,興味本位でこのボタンを押したところ,お尻の穴よりも少し前にシャワーの水が当たり,なんとなくイケナイことをしたような,触れてはいけないところに触れてしまったような後ろめたさを感じ「ゴメンナサイ,ゴメンナサイ」と思いながらスイッチを切ったものである。
上の写真は TOTO ウォッシュレットSB TCF6221 の操作部である。
私は軽い痔持ちである。慢性の痔ではないのだが,たまに太いのをしたりすると,メリッといって切れることがある。そうすると治るのに1週間くらいかかるのだ。
「おしり」ボタンは,お尻の穴洗浄ボタンである。水は細めで強く出るようになっている。これで水流を強くすると,お尻の穴から水が中に入ってきてしまう。水を止めてしばらくすると,入った分の水がお尻から出てくることになる。水流の調節は案外と難しい。お尻から水が中に入らないように力を入れて穴を締めてしまうと,今度はキレイに洗浄できなくなってしまうのだ。だからといって緩めると水が入ってきてしまう。直腸洗浄にはいいが,急ぐ時は困るのである。
切痔のときは,「おしり」ボタンは向いていない。強すぎるのである。水流を弱くしても結構痛い。
「やわらか」ボタンは,おそらく痔持ちのために用意されたものなのではないだろうか。「おしり」ボタンよりも水が太く出るようになっている。確かにお尻にはやわらかく当たる。水が太く出る分,水流が弱くなるので,「水勢調節」では「強」にしても大丈夫である。
そして「ビデ」ボタンである。使用感的には,水勢は「おしり」と「やわらか」の中間くらいである。初期の位置としては,お尻の穴よりも少し前に当たる。「これは女性用のボタンだ」と考えると,上で述べたように若干の後ろめたさを感じるが,単に「機能ボタンの1つだ」と考えれば抵抗感はなくなる。そして冷静になると,「ビデ」ボタンはお尻洗浄用にも使えることに気づく。
「ビデ」「ビデ」,「後」「後」
これである。「ビデ」を2回押すと,「ムーブ」になり,水の当たる場所が前後に移動しながら洗浄するモードになる。洗浄位置「後」を2回押すと,水の当たる位置が後ろになって,お尻の穴に当たるようになるのである。
切痔にはこのモードが向いている。前後に動くのでお尻の穴から水が入ってこないし,水流も強過ぎない。痛くなくキレイに洗浄できるのである。
グレードが高くない機種では,「ムーブ」も「ビデ」もついていない。上の写真は TOTO ウォシュレットP TCF581MR であるが,「おしり」と「止」しかない。この場合は仕方がないので,自分でお尻を前後に動かしながら洗浄するのである。
「ビデ」ボタンは男性用としても使える。動くモードで位置を後ろめにすれば切痔にもやさしい。
Posted by n at 2012-05-04 02:03 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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