iOS アプリ Sleep Meister で寝言を録音しようとしたが,入っていたのはイビキばかりだった。
寝言を録音してくれるアプリに Sleep Talk Recorder がある。以前は有料だったが,無料化された。Sleep Talk Recorder の面白いところは,寝言を公開できることである。
今回試したのは Sleep Meister で,アプリの目的は寝言録音というより睡眠管理である。
Sleep Meister は Amuser Lab - アミュゼ・ラボ が開発するアプリの1つで,広告のない有料版の Sleep Meister と,広告あり無料版の Sleep Meister Lite がある。
アプリを起動して,スマホを枕元に置いて寝ると,睡眠の深さの記録と,寝言の録音をしてくれる。起動時に起床時刻をセットすると,起床時刻前に眠りが浅くなったところでアラームを鳴らしてくれる。
Sleep Meister のいいところは,眠りの深さを記録してくれるところである。スマートウォッチがなくても睡眠管理ができる。呼吸によるスマホの僅かな傾きを検知して眠りの深さ判定をしているため,枕から遠いところや固い机に置いてしまうと眠りが検出されないので注意が必要。
アラームはスマホを振ると消すことができる。画面タップでも消せるが,寝ぼけた状態では難しいので,振るだけでいいというのはありがたい。スヌーズをオンにしておけば,振って消してから5分後に再度アラームが鳴るので寝過ごす心配がない。
Sleep Meister の睡眠データは Dropbox に保存することができるので,ファイル容量を気にしなくて済む。ファイルのパスは Dropbox/アプリ/Sleep Meister - Sleep Cycle Alarm Lite/ で,ファイル名は 20161122-203437.bak のように日付と時刻で構成されたものになる。毎日のグラフを Evernote に送ることもできるし,寝たことや起きたことを自動で twitter に投稿もできる。ただ,twitter 自動投稿はセキュリティリスクしか思いつかない。どうでしょうなら「嬉野くん,寝ました」を藤村くんに代ってつぶやくくらいである。
就寝時刻と起床時刻は iOS のヘルスケアアプリと連携できるので,ヘルスケアでの一元管理ができる。
今ひとつなところもある。睡眠データは Dropbox に保存できるのだが,音声ファイルは Dropbox ではなくスマホ本体に保存されるようで,本体の容量を圧迫する。Dropbox に音声ファイルを独立に保存できれば,パソコンで管理できて嬉しいのだが。
睡眠データである,就床時刻,入眠時刻,鳴動時刻,起床時刻,就床時間,睡眠時間,覚醒時間,入眠潜時,中途覚醒,スヌーズ回数,睡眠効率は CSV で一括出力することができる。出力されたデータはメール添付で指定した宛先に送ることができる。文字コードは UTF-16 のようだ。ここまではよい。しかし,各行の行末に謎の文字列が入っていて文字化けする (Sleep Meister Lite 1.13.23)。意味が分からないぞ。
使ってみたところ,これがなかなか面白い。
左が睡眠データ,右が寝言の画面である。上部に表示されている睡眠の深さグラフを見ると,朝の6時頃に一箇所飛び出したところがあるのが分かる。これは地震で目が覚めた時刻に一致している。11月22日5時59分頃に福島県沖で発生した震度5弱の地震である (福島県沖の地震 2016年11月22日5時59分頃発生 - goo天気)。「寝言」には40秒や106秒という比較的長い音声データが記録されている。実際にはこれは寝言ではなく,大きな地震があったことを布団に入ったまま話している音声なのである。この一瞬の覚醒後,またすぐに眠りに入って1時間後に起床している。
朝起きると,寝言らしき音声がたくさん録音されているのが確認できる。ほとんどは寝返りのときの布団のこすれる音である。寝返りの音はとても小さいので,スマホの最大音量で聞くことになる。普通はスピーカーで音を聞く。しかし,そのまま終了するととんでもないことになる。「音量を最大にしてある」ということを忘れがちなのだ。そのまま音楽プレーヤーを起動すると,イヤフォンをした耳に大音量が響くことになる。スピーカーで音楽を鳴らすだけでもビックリするレベルなので,イヤフォンでそうなると死ぬレベルであることは間違いない。
寝言を録音することを目的に使い始めたが,それよりも自分の睡眠の長さや深さを知るのは面白いことが分かった。肝心の寝言については,残念ながらこれまで録音に成功していない。ほとんどは布団のこすれる音,たまに「ウ〜ン」といううめき声。録音時間の妙に長いものはイビキであることが分かった。
Sleep Meister への要望としては,音声ファイルをエクスポートまたは Dropbox に別ファイルとして保存できるようにして欲しいことと,CSV ファイルの仕様を公開してほしいことくらいである。
追記:
2017年9月20日リリースのバージョン 1.14.24 では,音声ファイルがエクスポートできるようになりました。音声ファイルはモノラル,16 kHz サンプリングの caf (Core Audio File) 形式で,エクスポート先は,メール,メモ,iCloud Drive,LINE です。Mac であれば,afconvert コマンドで mp3 形式への変換が可能です。
Master Archive Index
Total Entry Count: 1957