日本では、レオナルド・ダ・ヴィンチのことを「ダ・ヴィンチ」と呼ぶ。しかし、「ダ・ヴィンチ」は「ヴィンチの出身」という意味しかなく、苗字ではない。彼の名前は「レオナルド」だけで、苗字はないのである。日本で「ダ・ヴィンチ」が定着してしまったのは、何となくカッコいい響きのせいだろうか? それとも、「レオナルド」と言うと、故人「レオナルド熊」を想像してしまうからだろうか?
日本で言うなら、「川向こうの次郎吉」のことを「川向こうの」と呼んでいることになる。「おーい、川向こうの」という呼びかけもあるにはあるが、「次郎吉さんよぉ」の方が自然だろう。
レオナルドの名前については、美術史の先生に教わり、「ダ・ヴィンチ」という表現を見るたびに「そりゃ違う」と思って悶々としていた。
最近になって調べてみると、Wikipedia に レオナルド・ダ・ヴィンチ の記事があるのを見つけた。
当時のヨーロッパは現在の名付け方と異なり、彼のフルネームは「ヴィンチ出身でピエロの息子のレオナルド」という意味の Leonardo di Ser Piero da Vinci である。レオナルドは彼の作品に「Leonardos」または「Io, Leonardo」とサインしている。専門家の大半は彼の作品を「da Vincis」ではなく「Leonardos」と表記する。おそらく彼は私生児だったので父の名前を使わなかったのだろうと考えられている。
できるなら「レオナルド」と呼びたいものだ。
Wikipedia はインターネットの百科事典で、閲覧が自由なだけでなく、内容の編集も自由なのが最大の特徴である。知っている人たちが、よってたかって編集しまくり、その記事の精度を上げていくのだ。驚くべきは、更新の履歴も一覧で表示できるところである。
インターネットそのものが百科事典のようなものだが、Wikipedia のようにプロジェクトになっていた方が、精度は格段に高いものとなる。
Posted by n at 2004-07-17 12:24 | Edit | Comments (0) | Trackback(1)
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