東京都現代美術館へピカソ展を観に行く。充実した内容だった。中には声を出して笑いたい作品もあった。
東京都現代美術館 は江東区の都立木場公園 という広い公園の中の一番北側にある。最寄り駅は、美術館の西側にある都営地下鉄大江戸線と東京メトロ半蔵門線の清澄白河(きよすみしらかわ)駅で徒歩9分。北には都営地下鉄新宿線の菊川駅(徒歩15分)、南には東京メトロ東西線の木場駅(徒歩15分)がある。今日は木場駅で降りて、木場公園を南から北へ縦断して美術館に行くことにした。
公園の中に噴水がある。水を霧のように細かい粒にしているので、虹が見える。
イチョウの葉が黄色く色づいていて綺麗。オスの木なのか、メスだが近くにオスの木がないのか、銀杏は落ちていなかった。そういえば、普通植物は自分の種(しゅ)を広めるために美味しい果実をつけるのだが、銀杏の実はすぐに腐ってしまう。これだと動物に食べさせて遠くへ運んでもらう訳にはいかない。実が木についているときは届かないし、落ちると腐って食べる気にならないし、さらに時間が経てば種(たね)だけになってしまう。どうやって自分の子孫を違う場所に作っていこうというのだろうか? 不思議な木である。
美術館に到着。ピカソ展の当日券は1300円だが、ウェブサイトにある割引クーポンを使うと1100円になる。今回の企画は「
躰[からだ]とエロス
」というだけあって、大人向きの内容。ただしエロスといっても、あまりにもアッケラカンと描かれていて可笑しみがある。絵を描くことなどそっちのけでモデルと抱き合う画家がいたり、それを見ている教皇がいたりする。教皇は覗き見していることもあれば、便器に座って落ち着いて見ていることもあるのである。なぜ画家が裸なのか、ベッドの横に便器があるのかなど、突っ込みどころ満載。画家は別の意味でモデルに「突っ込みどころ」しているので手がつけられない。自由にもほどがある。そして、その絵は連作になっており、少しずつ構図を変えながら何枚も描かれている。美術館のようなキチンとしたところでなければ、爆笑ものである。今回の展示は、パリ・国立ピカソ美術館 Musée national Picasso Paris (Pablo Picasso museum) 所蔵の作品群で、160点にのぼる。1925-1937年のピカソが40歳代の作品で、まとまった内容となっている。ピカソ展の券で常設展も観ることができるのだが、そこまでの元気はなかった。ピカソの内容が濃かったため体力を使い果たしてしまったのである。
美術館を出ると、「ピカソ通り」と大きく書かれたピンク色のノボリが目に付いた。美術館の北側に東西に伸びる深川資料館通り商店街を「ピカソ通り」と呼んでいるのであった。「ピカソ展を観覧した半券を見せると、商品が割引になる」という企画を、商店街全体でやっているのである。
「ピカソ通り」で見つけた、一風変わった公衆便所。何かのお店みたい。入り口には「商い中」とある。もちろん無人だが、営業時間も決まっていて朝の9時から夕方の5時となっているのであった。現在の時刻は16:57で、もう直ぐ閉店のはず。「誰か閉めにくるのだろうか?」と思いながら通り過ぎた。
ピカソ展−躰[からだ]とエロス−
は9月18日(土)から12月12日(日)の日程で開催されている。月曜日は休館。開館時間は午前10時から午後6時(入館は午後5時30分まで)となっている。
東京都現代美術館 は「MOT」という略称を使っている。英語名の「Museum of Contemporary Art, Tokyo」から頭文字をとっているはずなのだが、「Museum」「Of」「Tokyo」だろうか? 強調すべき「現代」が含まれていない。「東京の美術館」の意味になる。ちなみに、上野公園内にある 東京都美術館 の英語名は「Tokyo Metropolitan Art Museum」で、こちらは特にアルファベットの略称を主張していない。
2005年12月30日追記:
「ピカソ展−躰[からだ]とエロス−」を紹介していたサイト http://www.p-forme.jp/ は産経新聞社でしたが,現在はアダルトサイトになっています (運用団体が変わったのだと思われます)。アクセスしてみてビックリ。産経新聞社のような大きな企業がドメインを使い捨てにするのはイカンと思います。
2006年5月10日追記:
ピカソ展のサイトの所有者が変わったことについて記事を書きました (nlog(n): やめて欲しいドメインの使い捨て)。
Master Archive Index
Total Entry Count: 1957