江戸川河川敷の花火を,意外な場所から見ることができた。ほんの短い時間ではあったが,思わぬ出合いに驚きと喜びの2つを同時に味わうことができた。
16:45 頃の JR 市川駅からの眺め。電車で通過するときに外を見ると,何やらものすごい人の流れができている。どうやら江戸川河川敷の花火大会のようだ。
この花火大会は,江戸川をはさんで,東京都側の江戸川区と千葉県側の市川市から見ることが出来る。主催する自治体が異なる場合,同じ花火であるにも関わらず,情報を引き出すのには手間がかかる。同じ「花火」なのに同じ「花火大会」ではないからだ。実際,江戸川区の自治体のサイトには小岩駅や篠崎駅などの江戸川区内の駅からの行き方しか載っていないし(交通アクセス・交通規制),市川市の自治体のサイトには市川駅や本八幡駅からの行き方しか載っていない(アクセス&交通情報)。それぞれの情報をよく見ると,花火大会としての回数も違っている。江戸川区花火大会は「第30回」で,市川市民納涼花火大会は「第21回」になっている。
どちらのサイトの URL にも「2005」という年を表わす数字や大会回数を表わす数字が入っていないので,期限を過ぎたら削除されてしまう運命にあるように思える。捨ててしまわずに履歴として残しておけばいいのに,と思うのは私だけだろうか? 残した場合,去年の情報を間違って見て苦情を言う人が出そうだが,表示を明確にしていいだけのことである。
20:00 頃,再び市川駅を通ると,「ドーン」という音が聞こえる。音のする方を見ると美しい光景が広がっているではないか。昼間の人ごみの原因,花火である。電車から思わず飛び降りてしまった。
花火がプラットホームから丸見え。多くの人が花火を見ていた,いや,電車を待っていた。駅員が拡声器で呼びかけている。「危険なのでホームでの花火見物はおやめください。階段付近は混雑するため特に危険です。」確かに危険である。花火に見とれていると,ホームから転落してしまう危険がある。
客は電車を待っている間,花火見物ができるのである。花火は電車のオマケなのだ。電車が到着すると,ホームにいる客は「到着した電車の次の電車」を待っているように見えてしまったのは,おそらく気のせいだろう。客はひたすら電車を待ち続けている,気のせいだったに違いない。
環境は恵まれている。足元は明るいし,駅員さんが注意を促してくれるし,KIOSK なる売店も完備されている。飲み物やおつまみが「花火価格」ではなく「定価」で手に入る。ぼられる心配が一切ない。「近くのコンビニで買ってくればよかったよ」というように後悔することもない。
私は後ろ髪を引かれつつ,その場を後にした。電車3本ほど乗るタイミングを「うっかり」逃しただけで。
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