上野駅の山手線のホームの案内板から「内回り・外回り」の表示がなくなっていることに気がついた。他の駅もそうなのだろうか。
山手線の行き先は「内回り」と「外回り」で区別される。普通は「上り」と「下り」で,一般的に都市の中心に向かうのが「上り」,中心から郊外に向かうのが「下り」である。上りと下りがある路線は,当然ながら発駅と終着駅が異なっている訳だが,山手線は円を描いているため,終着駅に向かうといつの間にか発駅に到着してしまう。そのため,「上り」や「下り」では区別することができない。そこで登場するのが「内回り」と「外回り」である。
私は中学生くらいまで,山手線の「内回り」と「外回り」の意味が分からなかった。「内回りってどっちへ行くんだよ。訳が分からん。」と多少憤ったりしていたのだが,何と言うことはない,分かってしまえば実に簡単なことだった。「電車は左側通行」だということが暗黙の条件だったのである。首都高速の内回り外回りと同じである。自分の目的地が円周上のどのあたりかだけを知っていれば,早く到着する路線に乗ることができる。
小学6年生の時,秋葉原から渋谷に行くのに内回りに乗るか外回りに乗るかを真剣に悩み,30分くらいホームを行ったり来たりした思い出がある。渋谷は秋葉原のちょうど反対側くらいに位置しており,若干外回りの方が早く着く。早く着くといってもその差は10分もない。1周しても1時間しかかからないわけだし,30分悩むくらいだったら,どちらに乗ってもよかったのである。しかし,その時は「少しでも乗っている時間が短い方」を選びたかったのである。何と言うか,実にバカっぽい。
先日上野に行った折,案内板を見上げると,そこにあったはずの「内回り・外回り」の表示がなくなっていることに気がついた。案内板には「東京・品川・目黒方面」としか書いていない。駅名が書いてある分,分かりやすそうだが,これは逆に分かりにくいのではないだろうか。
内回りと外回りの表示があれば,現在自分の居る駅と目的の駅が,円周上のどの位置にあるかを知っていることだけで乗る路線を決めることができる。しかし,駅名表示だけだとそうはいかない。表示されている駅であれば,もちろん問題はない。問題は表示されていない場合である。その場合,主要な駅と目的の駅の位置関係を把握しておかなければならないのである。とは言っても,「内回り」と「外回り」しか書いていないのも不親切。だから以前の「外回り 東京・品川・目黒方面」のように両方書くのがいいのではないかと思う。
これは上野駅の場合なのだが,他の駅でも「内回り・外回り」の表示はなくなっているのだろうか?
2012年9月5日追記:
品川駅には「内回り・外回り」の表示が,後付けですが,復活していました。
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「だから以前の「外回り 東京・品川・目黒方面」のように両方書くのがいいのではないかと思う。」
なるほど、その通りだと思うよ。
表示が消えていたのは前から知っていたけど、
Posted by: ラーマ at October 06, 2005 01:10田舎育ちの私はそこまで考えなかったにゃ。
はじめまして!大阪衛星都市在住のものですが、プライベートで2005年の10月に、人生初の東京旅行に行きました。羽田に飛んだので京急から品川より山手線を利用しました、その時には既にここも内外表示がありませんでした。
Posted by: OSA/ITM TATSUYA at February 01, 2007 14:50ちなみに、大阪環状線は実質上、内回り外回り乗り場の表記はなくなり、1・2番線となりましたが、放送は「内回り、西九条・弁天町・ユニバーサルシティ方面」「外回り、京橋・鶴橋方面」となってます。ぜひ大阪にいらした時には試しに確認してみてくださいね