nlog(n): 記事の長さの制限値を変更する

Tue December 27, 2005

記事の長さの制限値を変更する

Movable Type の記事用のフィールド長の制限値を大きくする。MySQL→Berkeley DB→MySQL で行う。ようやくピカチュウ問題が解決した。

■ ■ ■

Movable Type で，データベースに MySQL を使っているとき，長い記事を書くと途中で記事が切れてしまうことがある。これは，MySQL データベース上に用意している記事用のフィールドに上限があるためである。上限値は 65535 バイトで，400字詰め原稿用紙80枚分にあたる。通常はこのような長い記事を書くことは有り得ないが，コピペでは発生し得る。Toogle のアスキー文字の出力をそのまま貼り付けたら，途中で切れてしまったのだ。貼り付けた記事を書いた当時は，データベースに Berkeley DB を使っていたので全部表示されていたのだが，その後 MySQL に変換を行った際に表示されなくなってしまった。しかも，気がついたのはしばらくたってからだった(nlog(n): cpufreq には未対応だった)。重要な記事でもないので放置していたが，気持ちが悪いので直すことにした。問題の記事は nlog(n): Toogle - Google のイメージ検索結果を ASCII で表示である。原因がピカチュウの記事だったので，私は勝手にこれを「ピカチュウ問題」と呼んでいる。

環境は Movable Type 2.661，OS は Vine Linux 3.2，データベースは MySQL 4.0.25 である。

私はデータベースをよく知らないので，ツールを使って「エイヤッ」とやることにした。一旦 Berkeley DB に変換してから，MySQL に戻すことにする。ツールとしては mt-sql2db.cgi: mt-db2sql.cgiの逆変換CGIスクリプト - Ogawa::Memoranda と Movable Type のパッケージに付属している mt-db2sql.cgi を使う。Berkeley DB への変換には mt-db-convert.cgi: MTデータベースの相互変換CGIスクリプト - Ogawa::Memoranda を使わせていただこうかと思ったのだが，こちらは Movable Type 3.1 と 3.2 にしか対応していない。Movable Type 2.661 には mt-sql2db.cgi しか使えない。

方針は次の通り。

最新の記事番号，コメント番号，トラックバック番号を控える
(省略してしまったが，正しくはここでバックアップ)
Berkeley DB 用のディレクトリを用意
mt.cfg を編集して，Berkeley DB のパス指定を追加
mt-sql2db.cgi で MySQL を Berkeley DB に変換
MySQL 上に新しいデータベースを用意
mt.cfg を編集して，新しいデータベースにアクセスするように変更
schemas/mysql.dump を編集して，データベースの定義を変更
mt-db2sql.cgi で Berkeley DB を MySQL に変換
mt.cfg を編集して，Berkeley DB 用のディレクティブをコメントアウト
サイト全体を再構築
再構築後の最新記事番号，コメント番号，トラックバック番号と控えを比較して確認

mt-sql2db.cgi を使う直前の mt.cfg では，Berkeley DB と MySQL の両方のためのディレクティブを有効にしておく。

DataSource ./db
ObjectDriver DBI::mysql
Database nlogn_db
DBUser nlogn_n

schemas/mysql.dump において，記事を定義しているのは entry_text と entry_text_more の2つである。entry_text　が「エントリーの内容(body)」，entry_text_more が「追記(extend)」部分に対応する。このサイトでは，追記部分が長くなることがあるので，entry_text_more を最大 65535 バイトの「text」から最大 16777215 バイトの mediumtext に変更する (小粋空間: MySQLでエントリーのフィールドサイズを拡張する)。

create table mt_entry (
   entry_id integer not null auto_increment primary key,
   entry_blog_id integer not null,
   entry_status tinyint not null,
   entry_author_id integer not null,
   entry_allow_comments tinyint,
   entry_allow_pings tinyint,
   entry_convert_breaks varchar(30),
   entry_category_id integer,
   entry_title varchar(255),
   entry_excerpt text,
   entry_text text,
   entry_text_more mediumtext,
   entry_to_ping_urls text,
   entry_pinged_urls text,
   entry_keywords text,
   entry_tangent_cache text,
   entry_created_on datetime not null,
   entry_modified_on timestamp not null,
   entry_created_by integer,
   entry_modified_by integer,
   index (entry_blog_id),
   index (entry_status),
   index (entry_author_id),
   index (entry_created_on)
);

MySQL の新しいデータベースは，変換前のデータベースとは別の名前にして作る。mt.cfg は新しいデータベースの名前にする。

DataSource ./db
ObjectDriver DBI::mysql
Database nlogn_new_db
DBUser nlogn_new_n

Berkeley DB から MySQL への変換は以前にやった通りである (nlog(n): Berkeley DB から MySQL への移行を試す)。

サイトの再構築の前に，Berkeley DB 用のディレクティブをコメントアウトすることを忘れずに。

# DataSource ./db
ObjectDriver DBI::mysql
Database nlogn_new_db
DBUser nlogn_new_n

2005年12月31日追記:
すべてのコメントを表示するページ(nlog(n) - All Comments)の再構築に失敗し，つぎのメッセージが表示されるようになっていましたが，

MT::App::CMS=HASH(0x8e449c8) Use of uninitialized value in concatenation (.) or string at lib/MT/ObjectDriver/DBI.pm line 74.
MT::App::CMS=HASH(0x8e449c8) Use of uninitialized value in concatenation (.) or string at lib/MT/ObjectDriver/DBI.pm line 75.

MySQL サーバの再起動で再構築が成功するようになりました。