フィギュアスケートのジャンプの種類はジャンプするときに決まる。6種類のジャンプを表にまとめてみる。
フィギュアスケートのジャンプは,ループ,トウループ,フリップ,サルコウ,ルッツ,アクセルの6種類である。ジャンプの種類は踏み切りの時に決まる。それぞれのジャンプは,つま先で氷を突くか突かないか,右足で跳ぶか左足で跳ぶかによって違っていて,難易度にも差がある。
最近フィギュアスケートの人気が高まり,解説も多くなったので,長年の疑問が解消した。ようやくそれぞれのジャンプはどこが違うのかが分かったのである。これらを表にまとめると次のようになる。
右足で跳ぶ | 左足で跳ぶ | |
つま先で突く | ① トウループ (左で突く) |
④ フリップ (右で突く) |
⑤ ルッツ (右で突く) [逆エッジ] |
||
つま先で突かない | ③ ループ (左ふりあげ) |
② サルコウ (右ふりあげ) [直前ハの字] |
⑥ アクセル (右ふりあげ) [前向き] |
①〜⑥は難易度で,数字が大きいほど難易度が高いことを示している。[カギ括弧] 内は特徴を表している。アクセル以外は後ろ向きにジャンプする。この表は反時計回りに回る選手の場合である。ジャンプが反時計回りの場合,リンクを大きく回るときも反時計回りになる。ルッツが難しいとされるのは,ジャンプの直前に時計回りになり,ジャンプは反時計回りになるからである。ルッツとフリップは違いがほとんどないが,ルッツの場合は助走が直線的なので大体分かる。まっすぐ滑ってきて,直前の踏み込みがグッと深くなったらルッツである。
しかし,これが頭で分かったからと言って,実際のジャンプを見分けることができるとは限らない。見分けるには,ジャンプを何度も見ることである。自分で先に言ってみて,解説との答え合わせをするのは楽しい。
着氷 | 右足 |
ジャンプの踏み切りは,右足だったり左足だったりするが,全てのジャンプの着氷は右足でするようだ。両足着氷は減点となる。左足着氷の場合はどうなのだろうか?
表をよく見ると新しいジャンプを思いつくかも知れない。「つま先を突いて,前向きにジャンプ」とか。考えただけでコケそうだというのが分かるが,もしできたなら自分の名前がつくかも知れない。サルコウ,ルッツ,アクセルはあみ出した人の名である(フィギュアスケート - Wikipedia)。ウルリッヒ・サルコウ(Urlich Salchow, 1909),アロイス・ルッツ(Alios Lutz, 1913),アクセル・パウルゼン(Axel Paulsen, 188x)。
「トウループ」の表記が,「ウ」を小さくした「トゥループ」となっているものがあるが,お勧めできない。「トゥーループ」は "完璧な" 間違いである。「トウ」は toe (つま先)で,バレエの「トウシューズ」と同じだからである。「タ・ティ・トゥ・テ・ト」とか「ワン・トゥー・スリー」の「トゥ」で「トゥループ」と言ってみるとおかしいことが分かる。発音に則したものにするなら「トウループ」か,いっそ「トーループ」としてしまった方がいい。
トリノオリンピックでは,荒川静香選手がすばらしい演技で金メダルに輝いた。ニュースでは「このオリンピックで初のメダル」「フィギュアスケートではアジアで初の金メダル」「日本フィギュアスケート70年の歴史で初の金メダル」のように,メダルを獲得したことが大きく報じられている。しかし,これは結果である。私は,メダルよりも,素晴らしい演技であったことに拍手を送りたい。感動的な演技で,心が揺り動かされたからである。その演技だからこそ,メダルの方からやってきたのだ。力ずくでもぎ取ったのではなく,メダルが吸い寄せられたのである。
2006年2月25日追記:
ジャンプは6種類だけではないそうです(nlog(n): Midori という名のジャンプ)。
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どこかのサイトでFLASHアニメーションを使っての解説を見たのですが、違いがあまり分かりませんでした。表にすると違いが良く分かりますね。
ところで、今回のオリンピックを見ていて思ったのですが、採点競技はタイム勝負の競技と違って分かりにくいですね。特に上位同士の争いでは微妙な違いというか差異がよく分かりませんでした。
Posted by: yanagi at February 24, 2006 23:58アニメーションのサイト見つけました。
http://www2.asahi.com/torino2006/flash/flash_figure.html
実は私も表にしてみて,やっと分かりました(分かったような気になりました)。
> 採点競技はタイム勝負の競技と違って分かりにくいですね。
そうなんです。分かりにくいので,分かりやすいように採点方法を変えたのが今回のオリンピックでした。でも採点基準が明確になったために,どの選手も同じような演技になってしまったという弊害も生まれてしまいました。
選手それぞれが自分の個性を生かした演技をすることができて,それに正当な評価が与えられるのが理想ですが,難しい問題です。永遠の課題なのかも知れません。
Posted by: n at February 25, 2006 01:24