歳をとったときのことを考えて生きるのはつまらないが,それでも体は消耗品。耳は大切に。
Wired News には,ピートタウンゼントの日記が引用されている(イヤホンが難聴の原因に――『ザ・フー』のギタリストが警告)。ヒット曲「マイジェネレーション」の中で「老いる前に死にたい」と歌ったピートも,すでに還暦を迎えている。
難聴は厄介だ。一度なったら治らない。iPodや同様のプレーヤーをあなたや子どもが使っているとしても、必ずしも難聴になるというわけではない……が、いずれ大変な状況になりそうな予感はする。
原文は No New Resolutions - Pete's Diary - 29 Dec 2005 で読める。
難聴については,スラッシュドットでも何回か話題になり,議論されている(スラッシュドット ジャパン | 携帯音楽プレーヤーとイヤホンが難聴の原因に)。iPod が原因だとして Apple を訴えるというバカバカしい話もあるようだ(スラッシュドット ジャパン | Apple、iPodが難聴の原因になると訴えられる)。人のせいにするというのは,なんだかなぁ。
15年くらい前に,お世話になった大学の教授が次のようなことを言っていた。
最近,学生の声がよく聞こえない。若い頃に大きい音を聞いたツケが今頃になって出てきた。
タバコを吸い続けても肺ガンにならない人もいるように,難聴になるかどうかは個人差がある。「絶対に」とか「必ず」ということは言えないが,まとめると次のようなことになる。
若い頃に大音量を聴き続けると,歳をとってから難聴になる。
これをグラフで説明しよう(学術的根拠はない。念のため)。上の図のように,歳をとるとともに聴力は徐々に低下していく。お年寄りは耳が遠い。しかし,いきなり聞こえなくなる訳ではないからだ。
若い頃に大音量の音を聴くと,耳が遠くなる時期が早まるのだ(赤い線)。
つまり,「老い」が早くやってくるのである。若年寄だ(違うか)。
たまに大きい音を聴いたくらいではほとんど影響はない。継続的に聴き続けた場合に大きな影響が現れる。「継続は力なり」だ。継続によってつく「力」はマイナス方向にも蓄積される。
イヤホンを使って電車の中で音楽を聴く場合は,特に要注意だ。人間は相対的な音量で音を聞き分ける。電車の中は騒音に満ちているので,音楽を聴くのであれば,相対的に音量を大きくする必要がある。そして,その音が「絶対的」に大きい音であることは気がつかない。しかし,電車の中での快適な音量は,静かなところでは爆音になるのだ。
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