東京メトロの構内表示が新しくなりつつある。綺麗になる一方で,失われるものもある。古くなった「モノ」は取り替えた方がいいが,「アイデア」は引き継いで欲しい。
駅のプラットホームには,乗り場を示す表示がある。東京メトロの場合,足元の表示の他に,線路の向こう側の壁にも表示がある。上の写真は,1両目の一番端のドアを示す表示である。中央の丸の中に「1」と書いてあり,左上にも「1」というシールが貼ってある。営団地下鉄時代からのものなので,古くてかすれてしまっている。(千代田線大手町駅)
隣のドアの表示を見ると,上のシールの場所が少しズレていることが分かる。これには意味があるのだ。
上に貼られたシールの位置は,その車両内のドア位置を示している。つまり,案内表示の長方形を車両に見立て,シールの位置とドアの位置を対応させているのだ。地下鉄の車両には4つのドアがついている。案内表示の上のシールの位置も4種類で,少しずつずれることになる。
これは上手い方法である。車両の端の方に乗りたい場合に,この1つの案内板だけで分かるからである。このシールがなくても,隣とその隣の車両番号を見れば分かるには分かる。隣が2号車の表示で,正面の表示が1号車だったら,1号車の一番端になるからだ。しかし隣を見なければならないのは面倒。1枚の案内だけで完結している方がいい。
東京メトロでは,駅構内の案内板を新しいものに取替えている(最近1年くらいのことだと思う)。古くて汚くなったものは取り替えた方がいいが,よいアイデアは残して欲しいものだ。
これでは,車両は分かるが,その車両のどのドアかは分からない。(有楽町線池袋駅)
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