ドメインを簡単に取得できるようになったのはいいが,弊害もある。簡単に捨てることもできるからだ。
「知らない間にサイトが“乗っ取られる”」,ドメイン名の期限切れに注意:ITpro によれば,
セキュリティ組織の米SANS Instituteは現地時間4月11日,企業/組織が使用しているドメイン名の期限が切れると,そのドメイン名を第三者に取得されて悪用される恐れがあるとして,実例を挙げて注意を呼びかけた。
とのこと。タイトルに「乗っ取られる」とあるが,これは別に不正な手段で乗っ取られるのではない。正当な手続きを踏んでいる。その第三者は,単に期限の切れたドメインを購入しているだけだからだ。
しかし,これは問題点も含んでいる。そしてこれは以前から指摘されていることでもある。私が実際に出合った例をあげる。
2004年に産経新聞社の主催でピカソ展が開催された。産経新聞社は,この展覧会のために p-forme.jp というドメインを取得し,ウェブサイトを立ち上げた。当時のスクリーンキャプチャがないので,Internet Archive: Wayback Machine の力を借りた。
画像は表示されないが,確かにピカソ展のサイトであったことが分かる。この展覧会は非常に面白かったので,ブログに記事を書き,このサイトへのリンクを張った(nlog(n): 爆笑したいピカソの作品)。その後,トラックバックがあったので,改めて記事を読み返しリンクをたどってみて驚いた。
1年後,ナント! p-forme.jp は出会い系サイトに変わっていたのだ。
そして現在。出会い系にも捨てられていた。
企画を立ち上げるとき,新規にドメインを取得すれば,便利なことは確かである。次のような利点がある。
企画側にとっては,本社のサイト内に企画のページを作って,その部分だけ外部委託するのは結構面倒。その点,独自ドメインを取ってしまえば,サーバがどこにあってもよいためサーバごと管理委託できてしまう。
問題は企画終了後に起こる。サイトが閉鎖されても,サイトへのリンクは残り続けるからだ。
上の例は,恐らく「使わなくなったので,放置していたら期限が切れた」のだろう(これ想像)。他には,「使い続けるつもりが,うっかり期限切れ」というものもある。pukiwiki.org が,ドメイン更新の手続きを忘れたのが有名(スラッシュドット ジャパン | pukiwiki.org存亡の危機)。現在は pukiwiki.sourceforge.jp になっている。
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