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misc 緊急指令のテンコード

円谷プロの昔の特撮番組「緊急指令10-4·10-10」のテンコードって何だろう。

■ ■ ■

替え歌の記事を書いていて(nlog(n): 替え歌っていうかレインボーマン)思い出したのが,円谷プロの特撮番組「緊急指令10-4·10-10{テン・フォー・テン・テン}」である。

緊急指令10-4・10-10 には次のようにある。

変身ヒーローブームで特撮番組群雄割拠の時代にあって、他とは一線を画す異質な怪奇アクションドラマとして円谷プロが製作した。当時50万人以上いたと言われるCB(市民バンド)無線を絡め、突飛すぎない程度の許容範囲内で怪獣などを登場させ、子どもから大人に至るまで幅広い層に親しまれた作品である。企画時のタイトルは『電波特捜隊』だった。

この番組も「愛の戦士レインボーマン」と同じ1972年の放送。レインボーマンもヒーロー物としてはかなり異色だったから,1972年というのは異色番組のオンパレードだったのかも知れない。悪役がタイトルになっている「宇宙猿人ゴリ」も1971年〜1972年の放送だ。ヒーローの方はスペクトルマン(スペクトルマン - Wikipedia)。

緊急指令10-4·10-10のストーリーはほとんど覚えていない。歌が格好よかった。歌の最後が「テンフォー・テーン・テーン・アー・アー」で「アー」の部分にハモりが入る。後ろに「10-4·10-10」と描かれた自動車がブロロ…と走り去る場面で終わる。歌詞は前出のサイト 緊急指令10-4・10-10 にある。

10-4·10-10という数字の意味は,緊急指令10-4・10-10 - Wikipedia に説明がある。

タイトルにもなっている「10-4」「10-10」はアメリカのCBや警察無線で使われる用語で、「10-4」(テンフォー)は「了解」、「10-10」(テンテン)は「通信終わり」を意味する略語。

CB というのは,Citizens' Band の意味で,市民無線を表す(市民ラジオ - WikipediaCitizens' band radio - Wikipedia(英))。Band は帯域だから,「市民無線用に割り当てられた周波数帯域」を意味している。アメリカの市民無線や警察無線では,「10」から始まる「テンコード (ten-code)」が使われる。テンコードは1937年に開発され,1970年代に大ブームとなった。ちょうどこの番組の頃である。アメリカのブームを日本で取り上げたという形だ。

Ten-code は,10-0から10-99の百種類。それぞれのコードの意味は Ten-code - Wikipedia (英) にまとめられている。1つのコードによって複数の意味があるのは,使っている団体が違うことを意味している。例えば「10-10」というコードは,使う人が違えば「交戦中」「いいえ」「通信終了」などの違った意味になる。

1つ分からないことがある。緊急指令10-4・10-10 - Wikipedia によれば,

「10-3-4」(テンスリーフォー)→SOS

とのことだが,3つの数が並ぶテンコードはないのだ。もしかすると「10-34」なのかも知れない。内容的に近いのは「10-33」で,意味としては次の4つがある(Ten-code - Wikipedia(英))。

  • emergency, all units stand by (緊急事態発生,総員配置につけ)
  • officer needs help (ヘルプキボンヌ)
  • disturbance at ___ (…で騒動発生)
  • fire (撃て)

無理やり読むなら「テン・スリー・スリー」だ。

さて,Ten-code というのは「コードワード」と呼ばれる記号語の1つで,他にも,「11」で始まる「Eleven-code」,「Q」で始まる「Q-code」,「Z」で始まる「Z-code」などがある。コードワードの「ラジャー」は「10-4」と同じ意味である(Roger - Wikipedia)。Code word - Wikipedia にコードワードの SOS や mayday の意味と用法が出ている。SOS は「Save Our Souls」の意味で,モールス信号(...---... トントントン・ツーツーツー・トントントン)で使われる。Mayday は SOS と同じ意味だが,声に出して言うときに使う。語源はフランス語の「m'aidez (英 help me)」だと言われている。フランス語の発音は「メデ」だから,英語なら「mayday」が確かに近い。5月1日の意味ではなかった。Mayday の語源がフランス語であるのなら,通信終了に使う「over」もフランス語かも知れない(これ想像)。フランス語の「さようなら」は「au revoir (英 see you again)」で,英語なら「over」の発音が近いからだ。

ともあれ,もう一度見てみたいぞテンフォーテンテン。了解,ではこれで通信を終わる。天和テンテン。

Posted by n at 2006-05-15 23:11 | Edit | Comments (2) | Trackback(0)
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Comments

通りすがりで失礼します。
ちょっとテンコードについて検索していたところ
ここを踏んでしまったので読ませていただきました。
疑問の10-3-4について既に解決されているのなら
捨て置いてください。
それは10-3-4ではなく10-34(34を一桁読み)
だと思われます。これだと援護を頼むになりますので
使い方としてはしっくりくるかと思います。

Posted by: ななし at May 27, 2008 01:00

ななし さん
ありがとうございました。Wikipedia をみると,この記事を書いたときの「10-3-4」から,現在の「10-34」に修正されていました。誤植だったのでしょう。

Posted by: n at May 27, 2008 01:48
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