gnuplot のマーカは出力する端末によって種類が異なる。Windows と PostScript 端末についてまとめておく。
gnuplot はかなり昔からあるフリーのグラフ描画プログラムである。様々なプラットホーム上で動作し,出力先も自由に選択できる。描画プログラムの基本部分を共通にしておいて,出力できる端末を追加するという考え方は,エディタ vi の思想に似ている。gnuplot では,gif や png などの画像の形式を,種類の違う端末あると考える。
gnuplot は GNU プロジェクトや FSF とは関係がない(Gnuplot FAQ)。「gnuplot」のように全て小文字で書くのが正式とされる。
最近,グラフを描く機会があって gnuplot を使った。使ったのは Windows 用のバイナリだったが,Windows の画面と PostScript への出力でマーカーが違うことが分かったのでまとめておく。
使用したのは,3.7.1+1.2.0 日本語化・機能拡張 (PLUS-enhanced) パッチである(The Official Site of PLUS-enhanced patch for GNUPLOT)。
Windows でのマーカは,デフォルトはカラーで上のようになる。
グラフ上で右クリックして「color」のチェックを外すとモノクロになる。しかし,そのままだとマーカーの形が崩れるので,一旦グラフ表示ウィンドウを消して,replot するのがポイントである。
これらのマーカを表示するコマンドは次の通り。何でもいいんだけれども。参考までに。
出力を Encapsulated PostScript (カプセル化ポストスクリプト) にしたい場合がある。その場合は端末を eps に変更する。一度入力した「set style ...」は再入力する必要はないが,全部指定するなら次のようになる。
モノクロ EPS のマーカは,75パターンある。Windows 端末のマーカとはかなり違う。
カラーにしたい場合は,端末指定に「color」オプションを追加するだけでよい。
カラー EPS のマーカは,パターンは75個だが,色が違うので組み合わせの数としてはさらに多くなる。そんなにマーカが多い図はイヤだーっ。けど。PostScript から Windows 端末に戻すには,次のように入力するのが簡単。
gnuplot 3.7.1 はかなり古い。最新版は 4.0.0 だが,これもリリース日が2004-04-16で新しいとは言えないが…。試してみると,4.0.0 の Windows 用のマーカは 3.7.1 とは違っていた。左下にマウスの座標が表示されてしまうのが邪魔。グラフ上で右クリックすると,範囲選択モードに入ってしまうのが使いづらい。
gnuplot 4.0.0 の Windows 用マーカ(カラー)。
gnuplot 4.0.0 の Windows 用マーカ(モノクロ)。
PostScript 用は同じものだった。
gnuplot 関連情報
公式サイトは gnuplot homepage。最新版は 4.0.0 で,開発版は 4.1 になっている。描画方法については,gnuplot tips (not so Frequently Asked Questions) が超詳しい。ドキュメントの日本語訳は gnuplot (Takeno Lab) にある。gnuplot - Linux Wiki には,古いと書いてあるが,よくまとまった情報がある。
Posted by n at 2006-08-31 22:16 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
Master Archive Index
Total Entry Count: 1957