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Windows gnuplot のマーカ

gnuplot のマーカは出力する端末によって種類が異なる。Windows と PostScript 端末についてまとめておく。

■ ■ ■

gnuplot はかなり昔からあるフリーのグラフ描画プログラムである。様々なプラットホーム上で動作し,出力先も自由に選択できる。描画プログラムの基本部分を共通にしておいて,出力できる端末を追加するという考え方は,エディタ vi の思想に似ている。gnuplot では,gif や png などの画像の形式を,種類の違う端末あると考える。

gnuplot は GNU プロジェクトや FSF とは関係がない(Gnuplot FAQ)。「gnuplot」のように全て小文字で書くのが正式とされる。

最近,グラフを描く機会があって gnuplot を使った。使ったのは Windows 用のバイナリだったが,Windows の画面と PostScript への出力でマーカーが違うことが分かったのでまとめておく。

使用したのは,3.7.1+1.2.0 日本語化・機能拡張 (PLUS-enhanced) パッチである(The Official Site of PLUS-enhanced patch for GNUPLOT)。

Windows でのマーカ (カラー)
Windows でのマーカ (カラー)


Windows でのマーカは,デフォルトはカラーで上のようになる。

Windows でのマーカ(モノクロ)
Windows でのマーカ(モノクロ)


グラフ上で右クリックして「color」のチェックを外すとモノクロになる。しかし,そのままだとマーカーの形が崩れるので,一旦グラフ表示ウィンドウを消して,replot するのがポイントである。

これらのマーカを表示するコマンドは次の通り。何でもいいんだけれども。参考までに。

gnuplot> set style function points
gnuplot> plot [][-10:0] 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 56, 57, 58, 59, 60, 61, 62, 63, 64, 65, 66, 67, 68, 69, 70, 71, 72, 73, 74, 75, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82, 83, 84, 85, 86, 87, 88, 89, 90, 91, 92, 93, 94, 95, 96, 97, 98, 99, 100

出力を Encapsulated PostScript (カプセル化ポストスクリプト) にしたい場合がある。その場合は端末を eps に変更する。一度入力した「set style ...」は再入力する必要はないが,全部指定するなら次のようになる。

gnuplot> set style function points
gnuplot> set term postscript eps enhanced
gnuplot> set output 'marker.eps'
gnuplot> plot [][-10:0] 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49, 50, 51, 52, 53, 54, 55, 56, 57, 58, 59, 60, 61, 62, 63, 64, 65, 66, 67, 68, 69, 70, 71, 72, 73, 74, 75, 76, 77, 78, 79, 80, 81, 82, 83, 84, 85, 86, 87, 88, 89, 90, 91, 92, 93, 94, 95, 96, 97, 98, 99, 100
PostScript での出力(モノクロ)
PostScript での出力(モノクロ)


モノクロ EPS のマーカは,75パターンある。Windows 端末のマーカとはかなり違う。

カラーにしたい場合は,端末指定に「color」オプションを追加するだけでよい。

gnuplot> set term postscript eps enhanced color
gnuplot> replot
PostScript での出力(カラー)
PostScript での出力(カラー)


カラー EPS のマーカは,パターンは75個だが,色が違うので組み合わせの数としてはさらに多くなる。そんなにマーカが多い図はイヤだーっ。けど。PostScript から Windows 端末に戻すには,次のように入力するのが簡単。

gnuplot> set term win
gnuplot> set output

gnuplot 3.7.1 はかなり古い。最新版は 4.0.0 だが,これもリリース日が2004-04-16で新しいとは言えないが…。試してみると,4.0.0 の Windows 用のマーカは 3.7.1 とは違っていた。左下にマウスの座標が表示されてしまうのが邪魔。グラフ上で右クリックすると,範囲選択モードに入ってしまうのが使いづらい。

gnuplot 4.0.0 の Windows 用マーカ(カラー)
gnuplot 4.0.0 の Windows 用マーカ(カラー)


gnuplot 4.0.0 の Windows 用マーカ(カラー)。

gnuplot 4.0.0 の Windows 用マーカ(モノクロ)
gnuplot 4.0.0 の Windows 用マーカ(モノクロ)


gnuplot 4.0.0 の Windows 用マーカ(モノクロ)。

PostScript 用は同じものだった。

gnuplot 関連情報

公式サイトは gnuplot homepage。最新版は 4.0.0 で,開発版は 4.1 になっている。描画方法については,gnuplot tips (not so Frequently Asked Questions) が超詳しい。ドキュメントの日本語訳は gnuplot (Takeno Lab) にある。gnuplot - Linux Wiki には,古いと書いてあるが,よくまとまった情報がある。

Posted by n at 2006-08-31 22:16 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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