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Windows ハードディスクを定期的に動かしてクラッシュを防止する

自宅のデスクトップパソコンは常時起動してある。そして通電したままアクセスがない時間が長い。これはクラッシュを起こしやすいそうだ。対策を考える。

■ ■ ■

ハードディスクは,「通電してあるがアクセスがない状態」が長く続くとクラッシュしやすくなるという(汗と涙のハードディスク自動アクセス)。

昔HDDの開発をしていたという技術者に原因を教えてもらった。HDDが最もクラッシュしやすいのは通電されているがアクセスされていないという状態なのだそうだ。通電されたまま(暖かいまま)アクセスがない間に各部のグリスが微妙に粘性を増す。そして次アクセスがあった際の初動時、わずかにヘッドを支えるアームが「ひっかかり」を生じ振動する。これでクラッシュするというのだ。

上述のサイトで紹介されているクラッシュ防止策は,「dir c: /s」を30分毎に動作させるというものである。「/s」オプションは,サブディレクトリを含む全てのファイルを表示させるもので,Linux なら「ls -lR」にあたる。Windows XP でも,解説されている Windows 98 と同じ方法がそのまま使える。

  1. C:\access.cmd というファイルを作っておき,次のように書いておく。
    dir C: /s
    dir D: /s
    dir E: /s
  2. 「コントロールパネル」→「タスク」でタスクの追加
  3. 作成したタスクの「プロパティ」を開く
  4. 「タスク」タブを選択
    • 実行するファイル名に「C:\access.cmd」を指定
  5. 「スケジュール」タブを選択
    • タスクのスケジュールを「日単位」に
    • 開始時刻を「0:00」に
    • 間隔を「1」に
  6. 「詳細設定」ボタンをクリック
    • 「タスクを繰り返し実行」にチェック
    • 間隔を「30」「分」に
    • 継続期間を「23」時間「59」分に

私の場合,access.cmd に,「dir C: /s > C:\access.txt」と書いてテキストファイルに出力させたところ,10 MB 以上にもなってしまった。ハードディスクが動き出せばよいので,「C:\Windows\System32」など,ディスクキャッシュがきかない程度にファイルがあるディレクトリを指定すればよいだろう。この方法では,30分毎に DOS 窓が表示されそのタスクが終了すると窓も消える。ここまでやっておいて何だが,窓が勝手に開いたり閉じたりするのは目障りでもある。

この問題は,フリーソフトで解決できる。候補は2つある。

1つ目はハードディスク(HDD)ノンクラッシュ である。名前の通り,この目的で作られたソフトである。Windows 起動時にプログラムを自動起動させるオプションもついている。難点は,現在のバージョン 1.32 では,ドライブが複数ある場合,C ドライブともう1つのドライブしか動作させられないことである。ドライブが3つある場合,どれか1つは諦めるしかない。

もう1つは metys/Bio_100% で配布されている NoSleep である。プログラムの目的は,HDD や CD-ROM ドライブがスリープモードに入ってしまい動くまでに時間がかかるのを防ぐものだである。目的は違うが,動作は同じ。動作環境は「Windows 95 無印専用(OSR以降不可)」となっているが,Windows XP でも動作する。デフォルトの動作間隔は3分になっているので,30分に変更する。自動起動のオプションはないので,ショートカットをスタートアップに入れておく必要がある。3台以上のドライブにも対応している。インターフェースがシンプルで明快だ。そういえば Bio_100%といえば,PC-9801時代に Depth という潜水艦ゲームで遊ばせてもらった思い出がある。

検討した結果,最後の NoSleep に決定。とてもよい。

私の経験では,ディスククラッシュは突然起こらない。ハングアップしやすくなったりして,なんとなーく,そこはかとなく予兆がある。不安定な現象がハードディスクに起因するものであるかどうかのチェックに使えるフリーソフトがある。DiskCheckup は S.M.A.R.T. (Self Monitoring Analysis and Reporting Technology) の情報をチェックしてくれる (HDDクラッシュとは?)。

クラッシュして何度も泣いたが(nlog(n): ハードディスクから何やら音が),バックアップを取ることはめったにない。ハードディスクの容量がバックアップメディアより異様に大きいのが原因である。この方法が,いくらかでもクラッシュ防止に役立てば嬉しいものである。

2006年8月11日追記:
fgtmp さんが教えてくれた HDD Health はその名の通りハードディスク健康度チェックソフト。DiskCheckup と同様に S.M.A.R.T. の情報を取得して故障の発生を予測してくれるようです。にも関わらず壊れてしまった場合は,HDD Regenerator でしょうか(使用不能になったハードディスクを復活させる「HDD Regenerator」 - GIGAZINE)。物理的に壊れてしまった場合(nlog(n): ハードディスクから何やら音が)には有効ではありません。

Posted by n at 2006-08-10 01:19 | Edit | Comments (2) | Trackback(1)
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ハードディスククラッシュ対策
「注目のウェブログから」を見ていると、かなりの頻度でパソコンがクラッシュしたという記述を目にします。恐ろしいことです。しかも多忙なときほど壊れるようで、まさにマーフィーの法則、今そこにある危機です。じてキンの飯島早苗さんに至っては、録りためていたFIFAワ... Trackbacked from: fringe blog at September 12, 2006 10:15
Comments

いつも楽しく拝見させて頂いております。HDD healthはHDDの寿命を予測して表示してくれるので面白いですよ。

Posted by: fgtmp at August 11, 2006 13:17

情報ありがとうございました。HDD Health について追記しました。

Posted by: n at August 11, 2006 23:38
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