先週は深夜バスを利用して金沢に行ってきた。深夜バスは若者のための乗り物である。
先週は金沢に出張した。旅費や滞在費は自分持ちなので,旅費としては一番安い深夜バスを利用した。
一つの旅で,何にどくらい費用を割り当てるかは,いつも悩むことである。費用は度外視して短時間で行ける手段を選ぶのか,時間はかかるが費用の安い手段を選ぶのかである。東京から金沢の場合,前者は飛行機で,費用は1万9千円の約1時間半。後者は深夜バスで,7000円の約10時間半である。中途半端なのは電車で,1万2千円の4時間。
旅費の割り当てでいつも思い出すのは内田百輭の阿房列車{あほうれっしゃ}だ。限られた予算の中で,行きによい席にするのと帰りによい席にするのでは,どちらが満足できるか悩む一節がある。
今回利用したのは楽天トラベル(【楽天トラベル】高速バス予約)。Willer Travel のツアーバスである。出発は東京ディズニーリゾートのバスターミナル。地方から来てディズニーランドとディズニーシーで遊ぶのに,深夜バスは利用されているらしい。深夜バスを利用すれば,フルに遊べるのだ。深夜バスは,その名の通り深夜に走る。到着するのは早朝である。前日の夜に出発して翌日はランドで遊び,ホテルに一泊してシーで遊んで深夜バスで帰れば,ホテルは1泊だけで2日間遊べるのだ。普通「1泊2日」と言えば,現地で自由になる時間は半日か多くて1日。しかし,深夜バスなら丸2日間確保できるのだ。ただし,車中泊が2日あるのだけれども。
バスは,東京ディズニーリゾートを21:30に出てから,品川駅,新宿駅,立山駅,富山駅,金沢駅に停車する。金沢駅到着は翌日の8:00となる。10時間半の行程だ。
JR舞浜駅から歩いて5分ほどでバスターミナルが見えてきた。しかし,ここに深夜バスはない。画面中央の遠くに見える明るい建物が,ディズニーリゾートラインというモノレールの駅で,高速バスのターミナルは,さらにその向こうなのだ。徒歩15分はかかる。
ようやくバスターミナルに到着。キャレッジリフレッシュメント前という場所らしい。深夜バスがずらりと勢ぞろいしている。非常に多いので,目的のバスが探せない。売店の近くに,受付の人がツアー名を大声で言いながら待っていた。
今回乗ったのは,プレミアムというクラスのバスで,3列シートである。一つ下のクラスは4列シートになる。片道4000円代で行けるが,かなり狭いと思われるので覚悟が必要。
3列シートといっても,「2+1列シート」になっている。家族や恋人同士なら隣同士がいいだろう。他人は困る。予約時に指定はできなかったが,1列シートの席が割り当てられていた。以前,別の路線で3列シートのバスに乗ったときには,3列が独立した「1+1+1列シート」だった。通路が2本あるものだった。
このバスはトイレがついていない。高速バスにはほとんどついているのだが。
各席には配布品が用意されていた。内容は,紙スリッパ,おしぼり,空気枕である。どれも使わなかった。紙スリッパは海外旅行に持っていくと便利。海外のホテルの部屋の中で使える。これらは持って帰ってよい。備品としては小さめの毛布が用意されていた。毛布は持ち帰ってはいけない。
長旅には使い慣れたものがよい。私が持っていくのは次の3つである。
空気枕は「H字型」のものをいつも持っていくことにしている。「U字型」よりも色々な方向に使えて便利。U字型は首に巻きつくので鬱陶しいのだ。実際に使う場合は,空気をパンパンに入れてはいけない。中途半端にゆるゆるに空気を入れるのがコツである。
車内がすぐに暗くなるとは限らないのでアイマスクもあるとよい。私の使っているアイマスクには小さい穴が開いていて,ほんのり前が見えるようになっている。
車内は冷えることがあり,毛布だけでは足りない場合がある。そんなときのためにも何かしらの防寒対策が必要である。今回は柔らかいデニムのシャツにした。
バスの運転席は,普通のバスっぽくない。どちらかと言えば,最近の乗用車風である。
運転席の上にバスメーカーのロゴがあった。「DAEWOO BUS」と書いてある。韓国のメーカーである。水曜どうでしょうの韓国の旅では,深夜バスのことを韓国では「深夜ポス」だと言っていたのを思い出した。
乗り心地は,ビリビリと振動が伝わってくる感じ。頭を座席につけていると,路面の状態がよく分かる。頭に振動が直接伝わらないように,空気枕の位置を調節する。かなりの微調整が必要だ。
休憩を2回はさみ(3回だったかも),8:10に金沢駅に到着。ほぼ予定通りだった。
やはり深夜バスはキツイ。40代のおっさんが乗るものではない。20代の若者が乗るものだ。
Posted by n at 2006-09-23 17:40 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
Master Archive Index
Total Entry Count: 1957