金沢に行ったときにバスに乗った。バスの整理券の番号のつけ方が関東とは違っていた。
金沢から湯涌温泉{ゆわくおんせん}に行く「下り」のバスに乗った。これは深夜バスではなくて(nlog(n): 深夜バスはキツイよ),普通のバスの話。乗ったのは,北陸鉄道株式会社 のバスである。まず金沢駅で乗車するときに整理券をとると,番号が「1」だった。進むにつれて,整理券番号は 2, 3, …と増えていく。料金を表示する電光掲示板では,数字が小さいほど料金が高くなる。ごく普通である。
違和感を覚えたのは,帰りである。金沢駅に行く「上り」のバスに乗ったときに整理券を取ると「18」だったのである。バスが進むにしたがって,整理券番号は小さくなって行く。したがって,数字が小さいほど料金が安くなっていくのである。驚いた。なるほどこんな方法もあるのか,と。
関東にも距離に応じて料金が変わるシステムはある(都内は一律料金の場合が多い)。乗車時に整理券を取り,降車時に料金を払う。これは同じである。整理券番号は上の図のようになっている。始発停留所(バス路線の端のバス停)では整理券を取る必要がない。バスが進行すると整理券番号は増えていく仕組みだ。これは上りも下りも同じ。どちらも数字が増えていく。
金沢のバスでは,下りは数字が増えていくが,上りは逆に減っていく。上の図のようになっているのだ。これは,「バス停に固定の番号がふられている」と考えると分かりやすい。上りでも下りでも,同じバス停で乗れば整理券番号も同じになるということである。
始発停留所でも整理券を取らせるのは,混乱を防ぐためだと思われる。「下りの始発停留所では取らなくてもよいが,上りの始発停留所では取らなければならない」というルールは難しすぎるためだ。したがって,どこで乗っても乗るときには整理券を取る必要がある(注1)。そのためバス料金表示の電光掲示板では,「なし」の欄はあるが,料金が表示されることはない。
バス料金のシステムとしては「整理券を利用して,乗車距離に応じた料金を請求する」ということを要求しているだけである。この2つの料金システムは,同じ要求仕様であっても実装方法が異なるという興味深い例だといえるだろう。
(注1) 金沢のバスでは,「ICa (アイカ)」という IC カードで料金を支払うこともできる。その場合は乗車時に整理券を取るのではなく,カードを読み取り機に接触させる必要がある。車内アナウンスの「ICa の方は,読み取り機にカードをタッチしてください」の「タッチしてください」にふき出してしまった。「タッチしちゃイヤン」とか言わないかなぁ,と思った (妄想である)。
Posted by n at 2006-09-26 22:05 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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