言及リンクしたくてもできない場合がある。過去の記事をトラックバックで通知したい場合がそれだ。
私は,基本的には相手の記事にリンクしないトラックバックは行いたくないと考えている。絵文録ことのはさん風に言えば,言及リンク文化圏に属す(トラックバックをめぐる4つの文化圏の文化衝突――「言及なしトラックバック」はなぜ問題になるのか [絵文録ことのは]2006/01/06)。nlog(n) 風に言えば,「リンクあり・関連情報あり」のときだけトラックバックを送ることになる(nlog(n): トラックバックに対する考え方を数値化する試み)。この考え方は,ブログを始めた今から2年前の手探りの頃と変わっていない(nlog(n): どんなときにトラックバックするか?)。
しかし,実はリンクなしトラックバックをしたことがある。相手の記事よりも昔に,同じ話題で自分が記事を書いていた場合だった。すでに書いたものがあるので相手にそのことを知らせたい。しかし,次のような問題があったのである。
そこで,参照しないでトラックバックを送ったのである。しかしそれは失敗だった。記事のつながりが弱く,単なる関連でしかないように見えてしまった。何がいいたいのかが伝わりにくくなってしまったのだ。
この問題に対する1つの解決方法は,記事の最後に「追記」で相手サイトへの言及とリンクを行うというものである。最近はこの方法をとっている。
新しく記事を書いた場合,自分の古い記事へリンクするのは簡単である。しかし,古い記事から新しい記事へリンクするのは難しい。ところが,検索エンジンが新しい記事と古い記事を探し出す確率が同じだとすると,昔の記事にたどり着く確率は 1/2 になる。しかし,その昔の記事からは新しい記事へのリンクがないため,せっかく書いた新しい記事が読まれないことになる。ところが,これには上記の「参照なしトラックバック」と同じ問題がある。
トラックバックを使うと,この問題は解決することができる。自分の昔の記事に対してトラックバックを打てばよい。昔の記事には新しい記事へのリンクが追加されるのでメデタシめでたし。となるはずなのだが,残念ながらトラックバック中のリンクは,本文中のリンクより辿りにくい。他のトラックバックに埋もれてしまうとさらに辿りにくいのである(例えば nlog(n): コメント用ポップアップがおかしい へのトラックバック)。
現在は,古い記事に追記する形で,新しい記事に言及しリンクするようにしている。上で述べた,過去記事からの他サイトへのトラックバックと同じである。
以前,コメントとトラックバックの違いについて考えたことがある(nlog(n): トラックバックの衝撃)。相手のサイトへのメッセージという意味では,コメントとトラックバックは同じである。実際,コメントとトラックバックを分けて表示したくないという考え方もあり,届いた順に時系列に表示するためのプラグインが開発されている(SimpleComments)。また別のブログシステム WordPress では,もともとコメントとトラックバックを区別していない。しかし,コメントとトラックバックを時系列に並べて嬉しいのは「重複トラックバックを送ってしまいました削除してください」という場合くらいしかない。このサイトでは,トラックバックの考え方を尊重してコメントとトラックバックを区別して表示している。これは Movable Type のデフォルトの設定である。
Posted by n at 2006-09-24 00:11 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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