人間は,仙人ではないが,霞を食って生きていると思うのだ。
「仙人じゃあるまいし,霞{かすみ}を食っては生きていけないよ」という文句を耳にすることがある。ということは,仙人は霞を食って生きられるということになる。実際,仙人にはそういう修行があるようだ(仙人 - Wikipedia)。
霊地、霊木などの気を体内にとり入れる修行もあり、これを俗に「霞を食っている」などという。
そういう修行があるとは知らなかった。仙人は霞を食べながら生きるものだと思っていた。どうやら違うらしい。
さて,通常「仙人じゃあるまいし…」は,「人間には欲望があり,それなくしては生きられない」という意味で使われる。しかし,人間を生かしているのは欲望だけではない。
よく考えてみれば,仙人が食べる霞とは意味が違うが,人間も霞を食べて生きているのではないかと思う。さらに言うなら,人間には霞がなければ生きて行けないのではないだろうか。
人間にとって,生きるための支えとなっているものは,形のある食料だけではない。音楽,芸術,学問,笑い,感動,知識,信念,(同列に並べられるものではないが)どれも形がない。人によって,何が一番大切かは違うだろう。しかし,生きるのに一番大切なものが,口から食べるものである人間は非常に少ないはずだ。物理的な食べ物は,人間にとっては主食ではないのだ。生きていくために必要なもの,つまり主食になるものは,目に見えないもの,つまり霞なのだ。
Posted by n at 2007-01-05 01:42 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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