酷く暑い夏の夜,静かに心が死んでいく。
なかなか歌が出てこないが,長いイントロがあるわけではない。前半後半の2部構成で,後半にしか歌詞がない。前半と後半はそれぞれの主張があって,別のものだが,まったく違うものでもない。
この曲は,真夏の酷く寝苦しい夜にできた。外に出て息を吸い込むと,むっとするような水分を多く含んだ空気が肺の中に流れ込んで来る。夏は遠くの音が聞こえなくなる。湿度の高い空気が吸い込んでしまうかのようだ。
後半の歌詞には,精,白,米,愛,などのエロチックなことを連想させるような言葉を使っているが,曲は禁欲的である。欲と禁欲と,さらには自分ではどうにもならない状況があり,行く先を失った感情は静かに死んでいく。
米がなぜエロチックかって? 私の大学時代の先輩に,歌詞が「お米」しかないという男声5部合唱の曲を書いた人がいた。それぞれ「お米」と歌っているのだが,組み合わさると違う歌詞に聴こえるという,ベタな曲だった。そんな感じ。
言葉で説明してしまうと,底が知れるな。音楽をやる人間は音楽という作品だけで勝負すべきだ。まあいいか。
Posted by n at 2007-08-14 02:58 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
Master Archive Index
Total Entry Count: 1957