The Who の単独来日公演を見に,さいたまスーパーアリーナに行ってきた。
初来日から早4年,The Who の単独来日公演が実現した。2004年の初来日のときは単独ではなかったので (nlog(n): ザ・フー初来日),演奏時間も短かったが,今回はフルバージョンで見られるのである。期待に胸が膨らむ。
2008年11月16日(日)の公演は,さいたまスーパーアリーナ (さいたまスーパーアリーナ - Wikipedia) で行われた。最寄のさいたま新都心駅 (さいたま新都心駅 - Wikipedia) を降りると,駅前でグッズの販売が行われていた。思わずキーホルダーを500円で購入したが,これは非公認のグッズであった。会場のさいたまスーパーアリーナの場外では,アーティスト公認のグッズが販売されていた。ファンの義務として,黒Tシャツとプログラムを購入したが,Tシャツ4000円,プログラム2500円は高過ぎるのではなかろうかと思う。
場外にダフ屋はいなかった。
The Who のロゴの入ったTシャツを着ている人,白いトートバッグを持っている人 (2000円で販売されている公認グッズ) がちらほらいる。外国人もいる。
日曜日なので,公演時間は早めに設定されている。16:00開場,17:00開演。開演までに40分以上あるが,入場する。今日の座席はアリーナBブロックの右側。正面のスクリーンには,例の2重丸が5枚,ゆらゆらと映し出されている (その様子は photo or something : The WHO 来日公演)。「そうか,最近はアーティストがスクリーンにも映し出されるのか。オペラグラス不要とはさすが最新テクノロジー」と思ったが,後にこの期待は裏切られることとなった。
ステージの上には4角い枠に並んだライト群が配置され,両脇には縦長のスピーカー群が吊るされている。スピーカーの下の方は下側にカーブしている。開演15分前になると,ステージ左側の細い梯子でライトのところに登っていく人がいる。女性,男性,それぞれ数名が登っていった。ステージをスポットライトで照らす照明さんである。
開演10分前くらいに,ステージ左の,観客が入れない通路のところに外国人3人が現れる。真ん中の人は分からないが,左側の体型はロジャー,右側の禿はピートにクリソツ。ロジャーらしき人は白のズボン,ピートらしき人は赤いシャツを着ている。しかし,近くの席の人は誰もそれに気がついていない。「今,あそこに行けば握手できるかも」と思ったが,開演時間が間近に迫っている。17:00に開演のアナウンスが行われ,会場に拍手が沸き起こると,その2人もこちらに向かって手を振った。「もうあの2人に間違いない」と思ったが,その後,演奏が始まったときの2人の衣装は違っていた。完璧な人違いであった。
The Who 公式サイトによると,演奏曲は以下の通り。
The set list:
Can't Explain
The Seeker
Anyway Anyhow Anywhere
Fragments
Who Are You
Behind Blue Eyes
Relay
Sister Disco
Baba O'Reily
Eminence Front
5:15
Love Reign O'er Me
My Generation
Won't Get Fooled AgainEncore:
Pinball Wizard
Amazing Journey
Sparks
See Mee Feel Me
Tea and Theatre
スクリーンに映し出されたのは,リアルタイムのステージ映像ではなく,あらかじめ用意された映像だった。
Behind Blue Eyes の演奏後,ピートが Hello と言った。内容は以下のようだ (The Who(ザ・フー)Part29)。
"Hello! I won't say Hello Osaka.
I won't say Hello New York.
I won't say Hello Chicago.
I'll just say, Hello.
Which is something.
We're having a nice quiet Sunday."
「Saitama」を忘れたというジョークなのか不明。「静かな日曜日」は盛り上がりが少ないということなのだろうか。
Love Reign O'er Me の後で,ピートがアリーナ席Aブロック左側の誰かを指さして,会場から出て行けのような,あるいは,ステージに上がって来いのようなジェスチャーをしながら「you threw the bear」のようなことを言った。「熊を投げたのか?」と思ったが,2ch情報によれば,次のように言ったらしい。
5:15は"You were on the train!"(おまえ電車に乗ってただろう)
Love Reignは"He's the man on the train.(電車の男はお前だ)
Throw him in.(あいつを放り込め)
No, you were the man on the train.(いや、電車の男はお前か)
You threw the beer.(お前はビールを投げたやつだ)
This one is one you should know.(次の曲は皆知ってるはず)"
「bear」ではなく「beer」だったのか。いずれにせよ何のことを言っているのかは不明。「皆が知っている次の曲」とは「マイジェネレーション」のことである。
「My Generation」の後,「Won't Get Fooled Again」が終わると,ピートがメンバーの紹介をした。ベースの Pino Palladino (ピノ・パラディーノ)は2002年からの参加,ギターは弟の Simon Townshend (サイモン・タウンゼント),ドラムは Zak Starkey (ザック・スターキー),キーボードの John "Rabbit" Bundrick (ジョン “ラビット” バンドリック) は1976年からの参加だと紹介。バンドリックはかなり長い在籍だ。
演奏曲は有名なものばかりだったが,聞いたことのない曲が2曲あった。4曲目の「Fragments」と,アンコールの最後の曲「Tea and Theatre」である。どちらも新曲で,2006年にリリースされたアルバム「Endless Wire」からの曲である (エンドレス・ワイヤー(初回限定盤): ザ・フー: Amazon.co.jp: 音楽)。
Tea and Theatre の歌詞を Andy@音楽観察者 さんが日本語訳してくれている (Tea and Theatre - 音楽中心日記blog)
僕と一緒にお茶を飲まないか 劇場で
すべてのことをやり終えたんだ そうだよね
すべての壁を飛び越えたのさ 本能的に
暗号だって解いたよ とてもうまく
すべての道をつなげたんだ 切れ目なく
僕たちはうまくやったよ
でもひとりが失敗してしまった
それはとても悲しいことだ
大きな夢は 脱線してしまったんだ
僕たちのうち
ひとりは死に
ひとりは頭がおかしくなり
ひとりはこの僕だ
僕たちみんな 悲しく思っている
僕たちみんな 悲しく思っている 僕の肩にもたれてもいいよ
物語はこれで終わりだ ずいぶん寒くなってきたね
千もの曲が まだくすぶり続けている
僕たちは ひとつになって演奏したんだ いまや老いてしまったけれど
僕たちみんな 悲しく思っている
僕たちみんな 自由の身だ
このステージから去ってゆく前に
僕たち二人で お茶を飲まないか
僕と一緒にお茶を飲まないか 劇場で− The Who「Tea and Theatre」(2006) (Translated by Andy@音楽観察者)
セットリストの演奏時間は1時間30分,アンコールが30分の合計2時間であった。十二分に堪能した。1曲目が始まる前から立ちっぱなしで足が棒になった。声が嗄れた。
公演終了後にも,公認グッズの販売が行われていた。
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