Kodak V570 で動画を撮影すると,生成された .mov ファイルが壊れていて開けないことがある。壊れた .mov ファイルを修復できないか調べてみたが,簡単な方法はないようだ。
Kodak V570 は,23 mm (35 mm 換算で) の超広角レンズを備えたデジタルカメラである (Kodak EasyShare V570デュアルレンズデジタルカメラ)。広角レンズだと,あまり後ろに下がらないで撮影できるため,重宝であるが,欠点もある。このカメラで動画を撮影すると,生成された .mov ファイルのデータが不正なため開けないことがあるのだ。壊れた .mov ファイルを修復できないか調べてみたが,簡単な方法はないようだ。
撮影時の現象としては,何事もなく撮影が終了する場合と,いつまでも「処理中...」のままでバッテリーだけが保存される場合の2通りがある。どちらの現象も歓迎できない。何事もなく保存されたので安心していると,再生されないことが後になって分かりショックを受ける。「処理中...」の場合は停止方法がないため,バッテリーを抜いて強制終了させると,日付がリセットされることがあるのだ (nlog(n): デジカメ写真の撮影日時を一括変更)。
.mov の動画ファイルが壊れているとき,デジカメのプレビューでの現象としては,再生ボタンを押してもうんともすんともいわないか,あるいは,もっとひどいときは「ファイルが壊れています」というメッセージがブルーバックで表示される。
壊れたファイルを Windows XP 上の QuickTime で開くと,次のメッセージが表示されるだけで,動画は再生されない。
エラー -2010: ムービーに不正なデータが含まれています
原因として考えられるのは,保存メディアに使っている SD カードのファイルシステムが断片化しているという可能性である。経験的ではあるが,撮影しては一部の画像を消し,また撮影しては消し,を繰り返すと,その後に動画が正しく保存されないことが多くなるのだ。
この問題が起きないようにするには,ファイルの断片化を防ぐ,つまり SD カードを定期的にデフラグするか,フォーマットする必要がある。
起きてしまった場合,何とかして .mov ファイルの修復をしたいのだが,よさそうなツールが見つからない。
1つの候補としては,このデジカメと同じ現象が出ている 今日の出来事: .MOV修復 さんで紹介されている 動画自在 がある。「動画自在」を使うと,音声の修復は望めないが,動画の修復は可能なようだ。しかし,このソフトは広告配信プログラムの同時インストールが必須であり,Webの閲覧データを外部に発信するため,スパイウェア検出ソフトが警告を出すというデメリットがあり,気が進まない。
手動で修復するという荒業もあるようだ。kakaku.com の掲示板に,その情報がある (価格.com - 『SDHCカードのデータ復旧された方いますか?』 クチコミ掲示板)。これはすごい。Windows の場合,必要なソフトは
AtomicParsley は http://kurtnoise.free.fr/mp4tools/ からダウンロードできる。mp4dump は,オープンソースのストリーミングサービス構築パッケージ MPEG4IP に付属するコマンドラインアプリケーションで,MPEG4IP - Open Streaming Video and Audio からダウンロードできる。ただし,ダウンロードできるのはソースコードなので,コンパイルを行う必要がある。
QuickTime のファイルフォーマットについては,リファレンスがある。
ウノウラボ Unoh Labs: MP4/3GPP/3GPP2ファイルフォーマットの基礎知識 も参考に。
Macintosh ならば,DumpSter というツールもあるようだ (手で修正する方法。:MyCometG3:So-net blog)。
奥が深すぎて歯が立ちそうにない。壊れたまま保存しておいて,便利なソフトが出てくるか,手で修復する時間ができるかするまで,気長に待つか。
Posted by n at 2008-12-03 04:30 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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