「写真はイメージです」が何とかならないか。「写真は参考例です」でよいではないか,よいではないか,あ〜れ〜。
(思い立って書いてみたが,調べてみると実に多くの人が書いているのが分かって,書き直していたら内容が gdgd になってしまったよ,メンゴ!)
私は,広告によくある「写真はイメージです」の表現に違和を感じる。あれ?「違和感を感じる」か? でも「感」が二重になってしまう。とすると「違和感がある」か。それもしっくりこない。どうでもいいか。
その違和は何かといえば,「写真」はイメージなのであるから,「写真はイメージです」は「イメージはイメージです」か「写真は写真です」ということしか言っておらず,何のことか訳が分からないからである。英語から見ても,意味がずれているとのこと: 「○○はイメージです」の「イメージ」という外来語の使い方は、元の英語の意味からかなり逸脱している。
(Life is beautiful: 謹賀新年(初日の出はイメージです))。
英語で「写真はイメージです」を表現するなら,The photo is for illustrative purposes only. やThe picture shown is a concept image and does not depict the actual product.(写真は概念イメージであり、実際の製品を表現したものではありません。)
(Cat's Cradle: 英訳:「写真はイメージです」) などになるはずである。
好意的に解釈するならば,恐らくは「この写真は,あなたが想像する理想的なイメージです」ということを言いたいのだろうが,理想と現実は違うし,「あなたの理想はそうかもしれませんけど,現実は違います」という含みがあるので,いずれにしても嫌な感じである。実際の商品にがっかりして,「これって違くね?」と言ったところで「あれはイメージですから」と言い返されてしまえば,それでおしまいである。「じゃ,イメージだすなよ」と言っても「そうしますと,お客様に商品イメージが伝わりません」と言われておしまいだ。「イメージ」という外国語を上手い具合に使われて,煙に巻いているのである。商品を売る立場からすれば,クレーマー対策としてはかなりズル賢くよくできている文言であると言えよう。
さて,話を建設的にするために,「写真はイメージです」の日本語での言い換えを考えることにする (もうすでにタイトルに書いてしまったが)。
香港のレストランのメニューの注意書きで気づいたことだが、中国語(広東語)的には、「参照」という漢字で表記される表現らしい。英語表記では、 reference という単語が用いられていた。日本語風に言い換えれば「写真は参考まで」といったニュアンスになるのだろうか。
なるほどうまい。「写真はイメージです」は
でよいのだ。この表現ならば,歴とした日本語であり,意味も分かるし,誤魔化しもない。しかも,文字数も「イメージ」の4文字から「参考例」の3文字に減るため,スペース的にも困らない。「調理例」は料理の場合にしか使えないが,「参考例」ならば料理以外にも使える。
もっとも,こんな注釈はもともと必要がないという議論もある (写真はイメージです? - 鳥獣遊画)。マクドナルドのビッグマックなどは,写真ほどよくはなく,むしろネタになるくらいよくない (画像 → pya! 理想と現実(その3))。レストランの前の食品サンプルも昔からおなじみだが,実際のものが違うのは皆よく知っている。逆に,同じものがでてきてくれては困るのである。
写真に注釈を入れなければいけないという決まりはないようだ (「※写真はイメージです。」に決まりはあるの? -OKWave)。
防衛もほどほどに。どうしても入れるのなら「写真は参考例です」でお願いしたい。
Posted by n at 2009-03-12 03:54 | Edit | Comments (0) | Trackback(1)
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