動物の脚の曲がり方っておかしくないか? 多くの人が一度は抱く疑問である。私も疑問に思っていた。人間と曲がり方が逆だからだ。
子供の頃,動物の後ろ脚の膝{ひざ}の曲がり方に疑問を持っていた。人間は膝が前に出ているのに,犬や猫は後ろに出ているからだ。同じ哺乳類で,枝分かれして進化してきている中で,膝の曲がり方が逆転することなんていうことがあるのか? 膝を複雑骨折して,骨折した方の種が生き残ったとか? どう考えてもおかしい。馬なんかはもっとひどいことになっている。前脚の曲がり方が犬や猫と違う。
こんなことを思い出したのは,TED.com を見ていたらダチョウの骨格標本が画面に映っていたからである (Karen Armstrong: Let's revive the Golden Rule | Video on TED.com)。英語なので何を言っているのか分からないのが癪だが (泣笑)。
(元写真の出典: The Project Gutenberg eBook of The Outline of Science, Volume 1 of 4, by J. Arthur Thomson.)
骨格をよく見てみれば,この疑問は解決する。後ろ脚の「ひざ」だと思っていた部分は,人間では「かかと」にあたるからだ。動物は常に「つま先立ち」をしていて,人間でいう「足の裏」は地面についていないのだ。
犬や猫の場合,前脚の「ひざ」は人間の「ひじ」,馬の場合は,前脚の「ひざ」は人間の「てくび」にあたる。そう考えると,犬や猫は中途半端かも知れない。後ろ脚は対応していないが,前脚の関節は人間の関節に対応しているからだ。
調べてみると,4本脚の動物でも,関節が人間と同じように曲がるものもいるそうだ。それは象だという (解説委員室ブログ:NHKブログ | 視点・論点 | 視点・論点 「ヒトはなぜゾウに似ているか」)。
動物の後ろ脚の膝のことを,英語では hock というそうだ (hock: Definition, Synonyms from Answers.com)。
Posted by n at 2009-10-03 22:24 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
Master Archive Index
Total Entry Count: 1957