毎年,桜が咲くのを楽しみに,桜が散るのをどことなく寂しく思うのだが,今年は何とも思わない。単に「桜が咲いている」という事実を認識するだけになっている。
毎年,3月の末から4月のはじめにかけて,桜の花の咲く時期になると,どことなく気分が盛り上がってくるものだった (2004年,2005年,2006年)。2007年,2008年,2009年は桜について書いていないが,それでも何かかんか理由をつけて花見をしていた。
ところが,今年は何故か桜が綺麗だと思えないのである。
昨日ライトアップされている桜を撮った。「桜が咲いているな,写真に撮ろう」しかし,「綺麗だから撮ろう」とは思っていない。
同じ構図で昼間に撮ってみたが,「花が木についている」という感想。物体としては認識できているが,生きていることに対する感動がない。
近くで撮ってみる。
同じ枝を夜に撮ってみる。
やはり感動が薄い。というよりも,何も感じなくなっている。あの,ただそこに咲いているだけで匂いもほとんどしないのに,むせ返るような熱気を感じたあの桜の花が,今年はもう何でもないただのモノになって,遠いもののように,しかし遠くても寂しさを感じない,ただの距離があるだけのモノになった。桜だけではない。この時期「木の芽時」には気が狂いそうになる奇妙な感覚があるのだが,最近はただの日常があるだけだ。
すべてに何も感じなくなっているということはない。先日も涙が堪えられないことがあったのは記憶に新しい (nlog(n): 「おもいでのアルバム」が泣けてしかたない)。心のありようで物の見え方は変わってくる。自分の心が去年までとは変わってきているように思える。
Posted by n at 2010-04-06 22:43 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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