ラップの芯でピンホール筒を作って金環日蝕を観察した。
2009年の日蝕では,何も用意しなかったので痛い思いをした (nlog(n): 海賊の船長の気持ちが少し分かった 2009 年の日食)。特に目に痛い思いを (笑)。今回はそのようなことのないように,身近な材料で日蝕観察をすることにした。ピンホール筒である。作り方は 川口市立科学館 | 天文台 | 観測用ピンホール筒の作り方 を参考にした。
ボール紙に穴を開けてアルミホイルを貼る。ボール紙をラップの芯より大きくしておく理由は,後でラップの芯に巻く新聞紙から太陽の光が漏れて入ってきてしまうのを防ぐためである。まあ,こうやっておいても多少は漏れてくるので,新聞紙を手で握って押さえる必要があるのだけれでも。気休めくらいにはなる。立てて置くときのスタンドにもなる。
ラップの芯に取り付けて,芯の反対側にはトレーシングペーパーを貼る。トレーシングペーパーがなければ,レジ袋でもOK。
ラップの芯に新聞紙を巻きつけて完成。新聞紙は前後にスライドできるようにしておく。そうしておく理由は,太陽の映像はトレーシングペーパーに投影されるので,肉眼ではその像を見ることになるのだが,近すぎると見づらいし,遠いと小さくなってしまうからで,見やすい適当な距離を探すためである。
アルミホイルには画鋲で小さな穴を開ける。
身近な材料だけで作ったが,こんなものでもバカにしたものでなく,とてもよく見えた。太陽に少し雲がかかったときは,雲の影も見えた。日食グラスでは太陽しか見えないので,この点ではピンホールカメラの方がよかった。私は乱視が少し入っているので,日食グラスでは太陽が2重に見えてしまったが,ピンホールでは2重にならなかった。近い距離を見ることになるからなのだろう。
ピンホールカメラでは,太陽の欠け方が逆になる。逆になるのは原理を考えれば当たり前なのだが,少し難しいのは太陽を探す時である。太陽が端の方に見えたら,中心に持ってくるには筒を反対方向に動かさなければならないのだ。慣れれば簡単にできるようになるが,最初は戸惑った。
ピンホールカメラは,牛乳パックを使えば,もう少し大きくなるから風景を写してみるのも面白い (針穴写真機 | 工作・フリーアート | アイデアデータベース | 夏休み自由研究 | 学研キッズネット)。子どもは喜んでくれるだろうか。虫眼鏡をダンボール箱につけるという方法もあったようだ (ダンボール箱で作る日食ビューワー 〜薄曇りでも見えるかも・・・)。これも作ってもよかったかも。
これは手鏡に反射させて壁に投影したもの。…というのは大ウソなのです。スミマセン。
丸い手鏡よりも少し小さい大きさに新聞紙を切って乗せたインチキである。手鏡に反射させて日蝕を見ることももちろんできるが,手鏡の大きさが,ピンホールカメラでは画鋲で開けた小さな穴の大きさに相当するので,この手鏡だと 50 m 〜 100 m くらい離さなければ像を結ばないのではないかと思われる。
上の図は国立天文台が公開している中心食帯の地図と時刻 (2012年5月21日 金環日食 | いつ、どこで見られるの?)。
用意はしたものの,前日までは「曇」の予報で,実際に夜は曇っていたので,これはダメかなと思っていた。上は気象衛星の午前7:00の画像 (気象庁 | 気象衛星)。金環食の帯の南側に沿って雲がかかっている。
日蝕というと,夏目雅子が三蔵法師をやったテレビドラマの西遊記を思い出すな。「お師匠さま,どうしてあんなことができたんですか?」「暦を覚えていただけじゃ」「暦ってなんですか?」「くるくるって丸めて耳の穴なんかを…」「それはコヨリ」みたいなエンディングだった。
Posted by n at 2012-05-21 23:14 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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