田んぼでシーモンキーのような生物を見つけた。「豊年蝦 (ホウネンエビ)」というそうだ。
今日6月第3日曜日というは父の日だそうだが (父の日 - Wikipedia),我が家ではなぜか父が子どもにサービスする日となっていた。
オタマジャクシを取りに行きたいという子どものリクエストに答えて近所の田んぼに網を持ってくりだした。朝のうちは曇り空だったが,午後にはジリジリとした強い日差しとなって,田んぼのあぜ道は暑かった。
稲が植えられて間もない田んぼには,もちろんオタマジャクシがたくさんいて,近づくと素早く逃げるので収穫は多くはなかったが,なかなかに楽しめるものだった。小さいものや大きいもの,しっぽのついたオタマジャクシにしっぽのついたアマガエル。その中途半端な形態のアマガエルは,体が薄緑色なのに尻尾は黒だった。しっぽには保護色はないらしい。そういえば,オタマジャクシにも保護色はない。住んでいる場所が泥の上なので緑色に変化する必要がないからだろう。
オタマジャクシ取りも一段落したので,田んぼの泥をじっと眺めていると,小さなミジンコのような微生物が沢山いることに気づいた。自然の土というのは,どこからともなく湧いて出るこういう小さな生き物が住んでいるものなのだ。
さらにじっと見ていると,微生物でもない,オタマジャクシでもない,おかしな形をした生物を発見。薄緑色の体の下にはケバケバがモヨモヨと動いている。なんだか昔懐かしいシーモンキーのような形態。どう見てもサルには見えないし,海に住んでいるわけではないが,シーモンキーと呼ばれる,粉末状の卵を水に入れるだけで孵化する生物は,昭和40年代にちょっとしたブームを引き起こした (アルテミア - Wikipedia)。
エビにしては長い足がないし,ミジンコにしては丸まっていないしデカすぎる。ひっくり返って脚のケバケバを上にして泳いでいる。田んぼにいるときは薄緑色に見えたのに,透明な入れ物に入れると体は透明になり,尻尾だけが赤い色がついている。
調べてみると,これは豊年蝦というそうで (ホウネンエビ - Wikipedia),「節足動物門 甲殻亜門 鰓脚綱(ミジンコ綱)サルソストラカ亜綱 無甲目(ホウネンエビ目)ホウネンエビ科」に属するのだそうだ。シーモンキーは「節足動物 甲殻亜門 鰓脚綱 サルソストラカ亜綱 無甲目 ホウネンエビモドキ科」なので,「モドキ」かどうかの違いがある。つまるところ,ホウネンエビは「本家」である。
仰向けに泳いでいるので,もしかして死にそうなのかと思ったが,これが通常の状態なのだそうだ。田んぼを吹き抜ける風が好きで,よく田んぼのそばを散歩するのだが,この生物は始めて見た。
お尻のあたりの白い玉を交互に前後に動かしている。普通はゆっくりと泳いでいるが,驚いたときは瞬発力もあり,素早く逃げる。
ホウネンエビがいるということは,名前の通り今年は豊作となるのだろうか。そうなるといい。
おまけ: 「田んぼ シーモンキー」で検索したら,ファイユームでシーモンキー(2) - 3兄弟とエジプト生活 - 楽天ブログ(Blog) というページを見つけた。シーモンキーは別にして,「水たまりに魚がうじゃうじゃ」という状況に一度出合ったことがある。鯉,鮒,ナマズ,雷魚,ザリガニが取り放題だった。子供の頃に出合ったそんな風景を今でも鮮明に思い出す。
Posted by n at 2012-06-17 23:43 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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