青竹が手に入ったので,樋{とい}を作って流しそうめんをすることにした。しかし,青竹を割るのに一苦労。結果は,始めての試みだったが予想以上のものができて大好評。気をつけておくといいことをまとめておく。
愛知に旅行に行った折,近所で竹林を持っているおばちゃんが「好きなだけ切って持って行っていい」というので,竹を1本もらって流しそうめんをすることにした。しかし,これが思ったよりも大変だった。
必要な道具は以下のとおり。
材料として必要なのは青竹だけだが,環境として忘れてはならないのは水の確保である。流水がないとそうめんを流せないからである。
まずはぼんやりと頭に描いた図を絵にしてみる。竹は半分に割るので,折り返してくれば,素麺を掬うチャンスは2回になる。上で逃しても下でもう一度取れる。背の低い子どもは下だけでもいいはずである。
手頃な竹を見つけて,ノコギリで切り出す。光っている竹は,中にかぐや姫が入っているので避けること (!?)。切り出す際に気をつけておくことは,竹が傾いている向きと,竹を倒す方向である。「竹が傾いている向きに竹を倒す」という計画を立てて,倒れる方向の反対側からノコギリを入れることが大切である。実際にやってみると分かるが,最初はどの方向からでもノコギリの刃は入るのだが,切り進めていくうちに竹の傾きが増していくので,傾いている下の方から切り始めるとノコギリが上下から圧迫されて動かなくなってしまうのである。
最終的に竹を倒す方向も確認しておかなければならない。竹は全部が切れてしまう前に倒れ始めるので,その方向に安全に倒せるかをよく見ておく必要がある。
次はいよいよ切り出してきた竹を縦に割るのだが,これがかなり大変な作業になる。実際にやってみるまでは,ここまで大変だとは思わなかった。真っ直ぐで割り切りのいいさっぱりした人を「竹を割ったような性格」と言うので,スパっと真っ二つに割れるだろうと思っていたが,とんでもなかった。かなり「グジグジしないと割れない」のである。もしかすると「竹を割ったような性格」は,割り切りの悪い性格なのではないかと思ったくらいである。
竹がちょうど半分になるようにナタを入れて木槌でナタの背を叩きながら割り進める。しかし,竹は割る前の形に戻ろうとするので,ナタが進められなくなるのである。そこで,クサビになるものを用意して割れ目に噛ませながら進めるようにした。
しかし,それでもナタを進めるのはなかなか難しい。その理由は「竹の繊維の方向が真っ直ぐでない」ということである。上の写真で分かるように,左側の下から右側の上に向かって繊維がつながっている。つまり,少しねじれているのである。竹の繊維はかなりの硬さなので,少しねじれているだけでも作業上は大きな負担になる。しかし,これは何ともならない。クサビを入れつつ,無理やり進めるしかない。つまり,ナタは最初の切り込みには使うが,後はナタそのものの刃を使うことはなく,ナタもクサビとして使ったのである。
もしかすると,この竹の繊維問題は,ナタが「片刃」であることが原因になっているかも知れない。もし両面が削ってある「両刃」であれば,竹の繊維がねじれていたとしても,それに逆らうように刃が進むことはないように思えるのだ。
割り終わった直後の角は鋭く尖っていて危ない。手を切って怪我をすることがないように,角をカンナで削るようにナタを使って取っておく。
竹が割れたら,節を取っていく。これも簡単に取れると思っていたら,実際にやってみると難しかった。金ヅチを使って「割りとる」ような作業になる。
最初のうちは子どもでもできる。ただし,割った破片が飛び散ることがあるので,目に入らないように,周りの人に当たらないように注意する必要がある。
だいたい節が取れたら,今度は大人に変わって,節を竹の内側ギリギリまで割りとる。それが終わってもまだ節は残るので,最後は節を「叩いてつぶす」ようにする。金ヅチの反動が結構あって,しかも節の数が多いため,だんだん手がしびれてくるのでしんどい作業になる。潰した後でも,少しは節の盛り上がりが残ってしまうが,気にしすぎなくてもよい。多少残っていても素麺は引っかからずに流れてくれる。
青竹のトイが出来上がったので組み立てる。今回はラッキーなことに,物置の軒先を借りることができた。軒先なので,上から紐でぶら下げることもできる。角度を調整して完成である。
折り返し部分は,上の写真のように紐で固定した。
折り返してきて,最後に水が流れだす出口の下にはザルを置いておくことが大切である。
竹の内側をよく洗っておいて (もともと竹の内部なので清潔だが,節のクズがあるので),いよいよ流しそうめんである。これは楽しい。子どもも大人も大喜び。箸でつかめずに流れてしまい,ザルに落ちてしまっても,すぐ上の投入口から再利用が可能なので楽ちん\(^o^)/
唯一の失敗は,麺ツユだった。普通に素麺を食べるときのように麺ツユを作ったところ,薄かった。流しそうめんでは,水に流れているところをすくい取るので,「水切れがあまい」のである。つまりは「水っぽい」のだ。普通の素麺用のツユだと,すぐに薄まって味がしなくなる。したがって,麺ツユはできるだけ濃い目に作っておかなければならないのだ。
流しそうめんは楽しい! しかし準備が大変だ。ツユは濃いものを用意すること。
Posted by n at 2013-08-22 22:12 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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