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misc ブロガーサミット2013には行けないけれど

ブロガーサミット2013が開催される。どういう意義があるのか分からない企画というのはきっと面白い。

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来たる2013年8月24日,ブロガーサミット2013が開催されるそうだ (ブロガーサミット2013「さぁ、自分を発信しよう」8月24日(土)開催 Agile Media Network)。このサイトも細々と9年続いているというのもあり,行ってみたいところだが,多忙のため残念ながら不参加の予定。

「日本における主要なブログサービスが始まってから10年という節目」ということで開催されるこの企画,企画している徳力さんは次のように言っている。

「集まって何になるのか、よく分からない」

いや、深い指摘ですよね。
正直、ブロガーサミットを企画している私自身が、今回のブロガーサミットを企画すること自体にどういう意義があるのか正直分かっていません。

[徳力]なんで私はむやみやたらと無茶なイベントの企画ばかりしてしまうのか #ブロガーサミット

最近は世知辛いにもほどがある世の中になってきて,何にでも「目的」が求められるようになってきてしまっている。そんな中で,「何になるのかよく分からない」企画というのは意味がある。「この企画の目的はこれこれです」と宣言してしまうと,企画終了後,そのもともとの目的に照らして成功か失敗かが判断されることになり,成功したとしてもつまらないものに見られる可能性があるのだ。その点,「よく分からない」企画にはいろいろなベクトルが残されているので,単純な「成功か失敗か」の二面的評価では測れない広がりがあるのではないかと思うのだ。人生も同じ (nlog(n): 人生に目的なんかいらない)。

私は徳力さんと面識も何もないが,馴れ馴れしく「さん」付けで呼んでいるのは,ブログの世界がフラットであると感じていたからである。「感じていた」と過去形になっているのには理由がある。「ブログ」がまだ「ウェブログ」で,そのうち「ウェブログ」は「ブログ」になるよと言われていた頃,「ブロガーに呼びかけるときは『さん付け』にしよう」と勝手に決めてブログ記事を書いていた。しかし,「ウェブログ」と呼ばれなくなった頃,要するに世間にブログが認知された頃には,世間の常識というものも同時に入り込んできたために,「さん」ではなく「氏」とか「女史」なんかをつけるのが自然と思えるようになってきてしまい,ぐぬぬと思って今日に至るのである。この記事に関しては,当時を思い出しながら無理やり「さん」を付けている。

ブロガーサミットの副題は「さあ、自分を発信しよう」である。多くの人がブログで自分の主張を発信していくというのは面白い。しかし,昨今の炎上騒ぎは「自分を発信しよう」を推し進めた結果でもある,という点で注意も必要である。炎上の要因としてはいくつか考えられて,これまた徳力さんの [徳力]コンビニや飲食店の冷蔵庫バカ写真炎上騒動が連鎖し続ける背景にある8つの要因 によくまとまっている。炎上するような悪ふざけをする側と,炎上させる側の両面に言及している。

コンビニ冷蔵庫の炎上案件は,テレビのバラエティ番組と視聴者の関係によく似ている。悪ふざけをするのがバラエティ番組で,その内容にクレームをつけるのが視聴者である。しかし,テレビなら視聴者は単に見るだけだったのが,インターネットでは芸能レポーターになって突撃取材する人が出てきたりしてややこしい。テレビ番組が打ち切りになるのと同様に,炎上案件の当事者は内定取り消しにあったり,人生を棒に振ったりすることになって被害甚大である。以前は,「犯罪自慢」などが炎上しただけだったが,最近は「明確には犯罪でない事案」までもが炎上することになってきていて,やり過ぎの感がある。炎上させすぎ。

やはりここはテレビ番組がとってきた予防線を見習うべきである。「このドラマはフィクションであり実在の人物・団体とは何の関係もありません」とか「この後スタッフがおいしく頂きました」を見習えばよいのだ。「この画像は合成です」とか「定期的な殺菌清掃直前の冷蔵庫です」「廃棄処分直前のハンバーガーを使用しました」「カメラマンは店長です」などを明示しておくのである。そうすれば安心して悪ふざけを公開できる。

悪ふざけする側としては,様々な理由があるだろう。「これっぽっちの給料でこき使いやがって」という不満が爆発した結果かも知れない。「ツイッターのフォロワーが全然増えねぇ」「ブログのアクセス数が増えない」が悩みであれば,炎上してもいいから話題になりたいと思う人がいてもおかしくない。また,身内だけが見ると思っていたら実はワールドワイドだったということもあるだろうし (nlog(n): 女性にみるユニキャストとブロードキャスト),炎上がリアルに響いてくるとは想像できなかったということもあるだろう。

しかし,このまま進んでいくと,お互いがお互いを監視しあうような社会になりそうで恐怖を感じる。現在,インターネットの世界での情報発信は,「犯罪発見器」から「悪ふざけ発見器」になりつつあり,この後に来るのは恐らく「他人のあら発見器」であって,そうなるともうおっかなくて,何も思い切ったことが出来なくなってしまうのではないかと。

炎上バイトを使っていたコンビニの方も,「厳正に処分する」とプレスリリースするようになってきていて,本当に厳正に処分してそうなのが困る。建前はそう言って公表するけど,実際は「気をつけろよ」とドスのきいたそれだけれどもどこか親心な言葉で済ましておく,ということはやっていなさそう。みな真面目だからねぇ。

「悪ふざけを大目に見る」といいのに,と私は思うのだが,今のところそういう風潮には移行しなさそうなので,予防線を張る作戦で行くのがいいんじゃないかな,と思うのである。

今度の土曜日に行けないのが実に残念。10年後の次回には参加しよう。

Posted by n at 2013-08-21 02:28 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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