同窓会というものは,自分の心を過去の状態に戻してくれるタイムマシンだった。参加者の間にはあの頃と同じ時間が流れていた。
先日,中学校の同窓会があり出席してきた。さすがに卒業から30年以上経っていると,連絡がつく仲間も限られており人数は多くなかった。しかし,その旧友の集まりというのは不思議な空間で,中学生だったころの時間が流れていた。面白いことに,他の参加者も同じことを言っていた。
中学生時代の私は本当にウブで,緊張で女子と話をまともにすることができなかった。そして今回の集まりでは,それと同じ心理状態になっていて,やはり女性と上手く話をすることができなかったのである。
同窓会はタイムマシンなのだ。それに乗ることで「体は大人のまま,心は子供に戻って」いたからである。根っことしては制服を着た女性が好きなのと同じである (nlog(n): なぜ男は制服が好きなのか)。「体は大人,心は子供」というシチュエーションは,自分の年齢が子供のときには魅力的で,背伸びをしてみたくなったりするやつである。思春期をあつかう映画のテーマにもなる。しかし,主人公の年齢がいい大人の場合は映画化には向かない。同じようにギャップがあるにも関わらず向かないのは,見た目が年寄りだからである。
逆のパターンの「体は子供,心は大人」と言えば名探偵コナンである。コナンくんは自分のことを「名探偵」と言っていて自意識過剰である (笑)。
同窓会の空間では,私は胸を締めつけられるような気持ちを常に感じていて,その中学生時代と同じ感覚はとても新鮮だった。もしかすると,現在の大人の気持ちを持ち込むこともできたかも知れない。しかし,それを敢えてしようとは思わなかった。なぜなら「それをやってどうする?」と思ったからである。大人として友達と接したなら,自分のかつての心境が薄れてしまうではないか。もちろん,お酒も入るわけだから,まるで子供というわけではない。しかし,非日常の世界に入ったなら,それにどっぷりと浸かるべきだと思ったのだ。利点としては,あの頃のドキドキが戻ってきた感覚があったことである。欠点としては,「女性と話せなくてもったいなかった」である。「ぐぬぬ…ぐぬぬぬ〜…」そんな感じ。
見た目はおっさんおばさんの集団だったが,瞳だけは少年少女のように輝いていた。
Posted by n at 2014-10-07 02:48 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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