胃の中にピロリ菌がいるかどうかの検査を受けてきた。検査は非常に簡単で痛みもなく30分で終了する。
先日,胃カメラを飲んでみたのだが (nlog(n): 上部消化管内視鏡検査を受けてきた),大きな異常は見当たらなかった。そこで,念のためにということで,ヘリコバクター・ピロリに感染しているかどうかの検査をすることになった。
この検査は,尿素の錠剤を飲んで少し待ってから息をエアバッグに吹き込むというもの。ピロリ菌が胃の中にいれば,吐いた息の中に二酸化炭素が増えることから分かるという話である。この検査は一般には尿素呼気試験と呼ばれ,尿素の錠剤の名前からユービット呼気検査と呼ばれることもある。
興味深いのは胃に入れた薬の効果が息に出てくるという仕組みである。ピロリ菌は尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する。出てきた二酸化炭素は胃壁から体内に吸収され,血管を通って肺に行き,それが吐く息に混じってくるというのだ (尿素呼気試験法とは?|大塚製薬)。これは,痛み止めの薬を口から飲んでも,肛門から座薬として入れても,同じように胃に影響が出るのと似た話である (nlog(n): 頚椎ヘルニアその後)。どちらも血液が薬の成分を運ぶのである。
検査の準備としては,前日の 21:00 以降に食事をとらないということだけ。もちろん朝食も抜きになる。これは胃カメラと同じ。病院では,看護師が気さくな感じで「今日は朝ごはん食べてきましたか?」と聞いてくるが,元気よく「はい!」などと答えようものなら検査は中止となる (笑)。
当日の検査は,最初にエアバッグに息を吹き込む。そして,ユービットという錠剤を飲んで,左側を下にして横になり5分してから,起き上がって座りそのまま15分。その後にまたエアバッグに息を吹き込んで終わりである。要するに,比較のために尿素を入れる前と後の息を採取するのである。当たり前だが,吹き込む息は肺の息を入れるようにする。循環呼吸法を使って鼻の息を入れるようにしてはいけない (笑)。
当日の検査としてはこれで終了。エアバッグは検査機関に送られ,1週間ほどすると結果が出る。検査自体は1日で終わるのに,結果を後日聞きに行かなければならないので,合計2日間仕事を休まなければならないのが効率悪い。
そして結果は陰性。基準値を大きく下回っていたので,ピロリ菌はほぼないと言っていいでしょうとのこと。そうでしょうとも。これまでも血液検査でピロリ菌が陽性になったことはないもの。
結局,ここ最近やった胃カメラとピロリ菌検査は,もともとは会社の健康診断で胃がんハイリスク検査で再検査が必要と出たからであった。しかし,詳しく調べてみたものの,「これだ」という原因はなかったのだった。「胃がんではない」と言われれば安心はできるものの,面倒くさい一連の検査の意味はいったい何だったのかと考えると疑問が残るのだった。
次回は経過観察ということも含めて1年後,検査の回数を減らすために健康診断の結果の後ということになった。歳をとると面倒な検査が増えるものだな。
Posted by n at 2015-11-06 22:47 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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