キング・クリムゾンが来日していることをいまさらながらにして知り,当日券を求めて窓口に並んだが玉砕した。
今日は2015年12月17日。有給休暇を消化するために休暇をとった。Web を眺めていると,「キング・クリムゾンのコンサートが最高だった」というツイートを発見。調べてみると,本当に来日しているのだった (KING CRIMSON | UPCOMING ARTIST | CREATIVEMAN PRODUCTIONS)。12年ぶりとある。しかも今日は東京追加公演がある日で,さらに最終日ではないか。当日券を販売するとある。今日は偶然にも休暇をとっている。これはもしかすると神様のお導きなのかも,いや,むしろ行けというお告げなのかも知れないと思い始める。そわそわしていると,妻がどうしたのかと聞いてきた。「ちょっとキング・クリムゾンの来日公演に行ってくる」と答えて本格的に出かける準備を始めた。「えっ,今日これから?」そしてしばらくすると「15,000円とか書いてあるけど?」。どうやら Web で検索をしたらしい。そうなのである。チケットが前売15,000円,当日16,000円もするのである。高すぎる。普通のコンサートの倍の価格である。いつからこんなに高くなったのか。それともキング・クリムゾンだからなのか。
直近でキング・クリムゾンの来日公演に行ったのはいつだったかと記録を調べてみると,2003年だった。確かに12年ぶりである。新宿の東京厚生年金会館に行って観たのは12年も前なのか。つい「この間」という感覚があるが…。歳をとると時間が圧縮されて感じられる。さて,今日はどうしようか。次に来るのが10年後だとすると,もうロバート・フリップ御大が生きていないかも知れない。そうなるとお目にかかるのが今回で最後ということになる。これはチケットがいくら高かろうと行くしかないのではないか。そういう思いで家を出た。
会場の Bunkamura オーチャードホールに到着したのが17:30。もうすでに列ができている。よく分からずに並ぶと「こちらはグッズの先行販売です。もうすぐ締め切ります」と言っている。興味はあるが,買っていると当日券販売の列が伸びてしまう。後ろ髪を引かれながらグッズの列を離れた。当日券販売の列には40人ほど並んでいる。風があって寒い。この寒空の下,これだけの人がいつから並んでいるのだろうか。そして待つこと30分,当日券の販売が開始された。係の人が並んでいる私達に向かって叫んでいる。
当日券には枚数に限りがあります。お並びいただいている皆様すべてに行き渡ることはまずありませんので,あらかじめご了承ください。
待っている人々がドヨめいた。「まずありません」に反応したのだ。かなり期待をそぐお知らせである。しかしそれでも一縷の望みをかけて一歩…一歩…,歩みを進めていく。10名ほど進んだところで「ただいまの方で当日券の販売は終了となりました」のアナウンス。並んでいた私より前の30名と後ろの20名ほどの人から落胆の声が漏れ,列は散り散りになったのだった。
後からツイートを見ると,15時から並んでいる人がチケットをゲットしたとつぶやいていた。3時間前から飲まず食わずで立ったまま寒い中を辛抱した人だけがチケットを購入できたのである。自分の直前でチケットが売り切れた人が必ずいるわけで,その人の無念を思えば,30分間並んだだけの (それでも異様に長く感じたが) 自分の無念などちゃんちゃら可笑しいくらいである。
しばらく入口のあたりをウロウロしていたが,だからといってどうなる訳でもない。偶然に知り合いと出くわして「よう! チケット余ってるけどいる?」などと言ってくれる確率はゼロである。そういえば「ない人あるよ〜ある人買うよ〜」のダフ屋は見かけなかった。今回は全席指定ということもあり,チケット管理が行き届いているのだろうから,「浮きチケット」が発生しないのだろう。入口付近で「チケット買います」と書いた紙を持って立っている人がいたが,警備員に退去させられていた。「敷地外でやってくれ」ということらしい。
中に入れただろう2階にいる人たちを見つつ,オーチャードホールを後にした。キング・クリムゾンが来るというのは7月から情報が出ている (キング・クリムゾン、12年ぶりの来日公演詳細が発表!!!! 嬉しい(号泣)! - rockin'on 編集部日記 (2015/07/01)| ブログ | RO69(アールオーロック) - ロッキング・オンの音楽情報サイト)。最近は,自分のアンテナがかなり鈍感になってきている。いや,元からそれほど敏感ではないのかも知れない。以前は,周りに騒ぐ友人たちがいたので,ぼんやりしていても自然と情報が入ってきていたのだ。
帰りながら,「神様は道をつけてくれるが,自分の足で歩いて行かないと欲しいものは手に入らない」ということを思い出していた (nlog(n): 人生が試練の連続である理由)。
Posted by n at 2015-12-17 23:08 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
Master Archive Index
Total Entry Count: 1957