お盆休みを使って家族旅行をしてきた。中央高速道路を使った。今年は全国的にお盆休みが分散されたためか,渋滞は比較的少なかったが,それでもやっぱりあった。
私の職場のお盆休みは8月7日の日曜日から始まる1週間だったので,今年からできた祝日「山の日」を含んでしまっており,何となく損をした気分である。今年のお盆休み期間は会社によって様々なようだ (【2016年/お盆休み期間】会社は、いつから、いつまでが今年の夏休み休暇?「長期5連休、6連休型の会社や職場、カレンダー通りの役所や公務員、銀行、大手企業、中小零細のお盆休み期間」 | BIJOH [ビジョー])。
お盆休みの高速道路と言えば渋滞である。車の量が増えることの他に,運転に慣れていない人が大量に流入することも原因ではないかと思う。私も夏にしか高速道路を使わないという点では,「慣れていない人」の一部に含まれている。
不思議に思うのは事故渋滞である。車が多くなれば事故も増えるというのは当たり前。謎は他にある。すぐに応急処置がされるので,完全に停止することはなく,2車線が1車線になる。車の流量だけを考えれば,車線数が半分になっても,車の速度を半分にすれば流れるはずである。通常 80km/h で流れているのなら,40km/h にするだけでいいように思う。ところがそうはならない。10km/h 以下が長時間続いてしまうのだ。
渋滞には2種類あるという。単純に車の量が増えることで起きる「どうやっても起きる渋滞」と,「起きなくてもいい渋滞」である。「起きなくてもいい渋滞」というのは人間が原因だという。
例えば、数年前に起きた東名高速の40キロ渋滞。この原因は、たった一台の追い越し車線への割り込みが原因だったことが分かっています。この車が無理矢理割り込んだ時に、追い越し車線の車がブレーキを踏んで、それが結果として40キロの渋滞になったんです。その人が割り込まずに我慢できていれば、渋滞は起きなかったかもしれない。
渋滞はなぜ起こる?東大教授が解明した「渋滞を解決する方法」 - 土屋礼央の「じっくり聞くと」(第6回) - ライブドアニュース
これが以前話題になったのは2009年のことで,動画つきの解説がある (渋滞撲滅!「ゆっくり走る」は金も時間もオトク 「渋滞学」の東大西成教授が実験で証明 - 日経トレンディネット)。実験は,12台の車を使い,6台目をプロのドライバーに運転してもらうというもの。プロのドライバーは,前の車が遅くなってもブレーキをかけずにゆっくり走るという「渋滞吸収運転」を行う。すると,後続の車では渋滞が起きないというものである。特筆すべきなのは,渋滞吸収運転を行った車も早く到着できる,すなわち時間的に得をするということである。ブレーキランプをつけないで走る「渋滞吸収運転」は後続の車だけでなく,自分にも利点があるのだ。
結局のところ,無駄な渋滞が起きるのは,先を争う人間の心理が原因になっているということになる。合流の際の「つばぜり合い」が元凶なのだ。渋滞しそうになると,登坂車線を使って猛スピードで走っていく車を見かける。その先には合流地点があり,「入れろ! 自分本位な車は入れてやらねぇ!」のようなイザコザも起きてくる。これを考えると,高速道路の設計を見直す必要もあるように思える。部分的な幅員増加は幅員減少とペアであり,幅員減少は渋滞のもとになるからだ。車線を増やせば渋滞がなくなるわけではない。悪化することもあるのだ。
高速道路では,むやみにブレーキを踏む車はクソである。私はそんな車の後ろにはつかないことにしている。精神的にも楽だし,燃費はよくなるし,自分が渋滞の原因にもならずに済む。
Posted by n at 2016-08-13 21:29 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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