2016年9月30日で閉園となった調布駅前の「タコさん公園」に行って様子を見てきた。
京王線調布駅からほど近い,調布グリーンホールの前にあるのが「調布駅前公園」である。赤いタコの滑り台があることから,「タコ公園」の愛称で親しまれてきた。この公園が9月30日で閉園になっていた。
調布駅南口広場に隣接する同公園は、公園のシンボルであるタコの滑り台にちなみ、タコ公園と呼ばれ、1972(昭和47)年の開園以来、44年間市民から親しまれてきた。調布駅南地下自転車駐車場及び調布駅前広場(仮称)の整備に伴い、閉園が決まった。
先月訪れたとき,タコの滑り台を描いていた人がいた。かなり丹念に描きこんでいたので,子供と「画家さんかもね」と話したことを思い出す。その時,子供はその方と一言二言話したそうで,後になって「タコさんがなくなっちゃうから描いてたんだって」と教えてくれた。それを早く言ってくれ。絵を描いていたのは 中川平一という方だそうだ (閉園前にタコ公園をキャンパスに残す中川平一さん - 調布経済新聞)。
閉園となる9月30日には公園のお別れ会が開かれたとのこと。
そして迎えた最終日。日中は市主催の「タコのお別れ会」が開かれました。吹奏楽バンドによる演奏があり、保育園児たちが紙で作った花などを飾り付けました。(中略) 日が暮れたにもかかわらず、多くの人が公園を埋め尽くし、タコには「大好きなタコ公園 さよなら」「ずっとありがとう またどこかであそぼうね」といった手書きのメッセージがあちこちに書き込まれました。
全国に数あるタコの滑り台は前田環境美術株式会社が製作したもので,調布のタコはその第1号だったとのこと (タコの山のすべり台:前田環境美術株式会社)。オリジナルのデザインは「プレイスカルプチャー」でタコではなかったそうだ。「ある人が気づいた『頭をのせたらタコになる』という発見とその注文に考えてしまいました」とあるから,気づいて注文したのは調布市役所の職員だったりするのかも。当時の公園の名前は「調布市南口児童公園」だったようだ。
しかし,皆はタコのことばかりを思い出しているが,公園内にはからくり時計もあったのだ (調布市平和と文化のモニュメント)。動画もある (ありし日の調布駅からくり時計「平和と文化のモニュメント(宇宙シンフォニー)」の作動光景【廃止】 - YouTube)。からくり時計がなくなることを惜しむ声はないのか。
我が家でも子供たちがよく遊んだ。「タコさん公園で遊ぶ!」そう言っていた。多分,どの家の子供でもその公園の名前を自分でつけて,その名前は「タコさん公園」「タコ公園」となるのだろう。閉園後がどうなっているのか気になったので行ってきた。
公園のトイレには黄色いテープが巻かれ,使えなくなっていた。
金網で閉鎖され,公園の中には入れなかったが,タコの滑り台はまだあった。遠くから見ると,タコが黒っぽく汚れているように見えたが,あれは黒いマジックで書かれたお別れメッセージだったのだ。
タコの前にあるのはグルグル回る遊具で,「パパ,回して!」と言うのでその通りにすると,フラフラになって降りられなくなっていたことを思い出す。
砂場は,砂が取り除かれていて,プールのように深くなっていた。砂場の囲いを互いに反対向きに歩いていって,突き当たっては「ドン! じゃんけんポン」をして負けた方がスタートに戻るという遊びもしたっけ。
2010年12月のタコ。何もかもが懐かしい。タコさん公園よ,さようなら,ありがとう。
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