ハワイ出張中に見た映画は,Terminator Genisys, Knock Knock, Secretary, Ghostbusters, 君の名は。だった。
行きの飛行機では,時差ボケ防止のためただひたすら寝た。映画を見ることはなかった。
宿泊したドミトリーというか貸し部屋にはテレビがあった。
ストリーミングサービス Roku が契約されていて,Amazon, NETFLIX, PANDRA などを見ることができた。ただし,すべてを見られるわけではなかった。例えば,映画をタイトルで検索すると,プロバイダの候補が複数出てきてその中から選ぶようになっているのだが,hulu なら無料で見られるが Amazon は追加料金が必要というものもあったのである。もちろん自分が契約しているわけではないので,無料のものしか選択できない。面倒なのは,リモコンでタイトルを選択していった先でないと無料か有料かが分からないところで,無料番組を探すのに手間がかかった。
日本のテレビのような,リアルタイムで流れていく放送はどうやって見るのか分からず,そういう放送があるのかないのかさえ最後まで分からなかった。ABC や CBS のニュースはすべてオンデマンドで,見たいタイトルだけを見るだけ。ニュースチャンネルをつけておけば垂れ流しでリアルタイムの放送を見られるかと思ったが,どうしてもできなかった。
見た映画は次の通り。
最初に見たのは Terminator Genisysである。会話が英語なので,ほとんど分からず,なんだかもう (笑)。このブログを書くのにあらすじを読んでみたが (ターミネーター:新起動/ジェニシス - Wikipedia),そんな複雑なことになっていたとは知らず驚いた。
過去に送り込まれる主役カイル役の男性 (ジェイ・コートニー - Wikipedia) がゴツすぎて,感情移入できず。もっとも,言葉が分からないので感情移入とか以前の問題ではあるのだが (笑)。ジョン・コナーは見た目が悪役だし (ジェイソン・クラーク - Wikipedia),敵の液体は今回は中華系を持ってきた…韓国人とのこと (イ・ビョンホン - Wikipedia)。サラ・コナー役は エミリア・クラーク で,「ターミネーター2」の リンダ・ハミルトン に似た感じがあるので起用されたか。アーノルド・シュワルツェネッガーは,おじいさんなのに頑張った。若いころのシュワルツネッガーが出演しているのだが,どうやって撮影しているのかは分からなかった。
英語がよく分からないのであれば,アクションものがいいのではないかと思って「ターミネーター・ジェネシス」を見たが,予想以上に複雑なストーリーだったため撃沈。そこで,次に選んだのはお色気である。Knock Knock (ノック・ノック - Wikipedia) は,キアヌ・リーブスが若い2人の女性に誘惑される映画である。家族と幸せな生活を送っている父親 (キアヌ・リーブス) が留守番をしているところに,見知らぬ2人の若い女性が訪ねて来るところから話が始まる。ドアをノックするその音がこの映画のタイトルになっている。1977年製作の「メイク・アップ (Death Game)」のリメイクとのこと。
男性は,突然押しかけてきた女性たちを家に入れないようにするが,雨でずぶ濡れになっているのを可哀想に思い,入れてしまう。風呂まで入ってくつろいだ女性たちは,今度は誘惑を始める。頑なに断り続けるが,こんなのが目の前にダブルでいたら,押し倒されてしまうのは無理もない。しかし,いい思いをしたのはここまで。翌朝からその既成事実を逆手にとって女たちの嫌がらせが始まる。思いつく限りの嫌がらせ,おちょくり,破壊,拘束,拷問,果ては殺人まで。過ちはあったにせよ,あまりにも大きな代償だ。逆の立場になれば,つまり女たちの立場になれば「痛快!」ということになるのだが,その行動の根拠となるものの描き方が弱いのだ。例えば,キアヌ・リーブスの妻役は芸術家だが,作品としては大したことがないので「えせ芸術家」っぽいし,子どもを大切にする幸せな家庭は「幸せを気取っている風」にも見える。しかし,「薄っぺらい作り物の幸せなんかクソ食らえ!」というほどには,軽薄だとか強欲だとかに描かれていないのだ。その点がどっちつかずになってしまっていて,映画の出来としては残念なものになっている。
やはりここでも英語が分からないのがネックで,どうして女たちがキアヌ・リーブスを責めているのか分からないのだ。会話のニュアンスも聞き取れないので,細かいところが拾えず,ストレスがたまる一方だった。
ブロンドの女性の役名は「ジェネシス」だが,先に見た「ターミネーター・ジェネシス」とのつながりはない。
テレビの電源を入れると,Roku がいくつかのお勧め映画を表示するようになっていた。題名とジャケットが並んでいる。その中で選んだのは,またもやお色気もの。Secretary である (Wikipedia: 英語,日本語)。Secretary とは秘書のことである。ジャケットだけでなく,映画の出だしからお色気を予感させる作りだった。首に鉄の棒を天秤のようにつけられ,その両端には手首が縛られている女性が登場する。女性はスーツを着ていて,その拘束が日常であるかのように,部屋を行き来して淡々と仕事をしているのだ (“Fifty Shades of Dull”: Try One of These Sexy Films Instead - SheRa)。文芸的エロの予感。そしてその予感通り,アクションではなく会話主体でストーリーは展開していく。会話が中心ということは,英語が分からなければ話にならないこととイコールであり,玉砕。最初は頑張って観てみたが,途中から早送り (笑)。派手なお色気シーンはなく,そのまま終了した。
帰りに関しては,その後に多少体調が崩れようが関係がないので,映画を見ることにした。とは言ってもあまり無理はできない。翌日から仕事だからだ。ハワイで土曜日の朝に飛行機に乗ると,成田の到着は日曜日の夕方になる。行きの1日得した感とは逆に,1日損した感じがする。
ゴーストバスターズ (2016年の映画) - Wikipedia は1984年の映画「ゴーストバスターズ」のリブート作品である。「リメイク」ではなく「リブート」となっているのは,主人公がもともとは男性だったのを女性に置き換えているからである。ただ,ストーリー自体は前作をそのままなぞっているので,新しさが感じられないのが残念なところ。
作品の内容はつまらないものだったが,英語は驚くほど聞き取れたのでよしとしよう。日本語字幕がついていたが,もしなかったとしてもほとんど完璧と言えるくらいである。コメディーという位置づけもあるためか,分かりやすい表現が使われていて,しかも発音が特別はっきりしているのだ。1週間英語漬けの環境の成果なのか,これは嬉しかった。
英語聞き取りの達成感も得られたので,というより英語はもうウンザリなので,最後に話題の邦画「君の名は。」を見ることにした。わざわざ映画館まで行って見るほどではないものの,飛行機のサービスならば見ない手はない。
以下ネタバレを含むので未見の方は注意。
ストーリーもよくできているし,作画も丁寧。丁寧すぎるくらいだ。少年が少女の腕をつかんで走り出すところで,少女の腕が肩から抜けたように見えるのが気になったくらいである。彗星の軌道が変だという事前情報は知っていて注意して見ていたが,あやうく見逃すところだったくらい一瞬の映像だった。確かに太陽を回らない軌道はおかしいが,よく気がつく人がいるものだと感心した。映画の中の重大事件は,男女の体の入れ替わりとタイムスリップのコンボである。どちらも使い古されたネタだが両方を使っているというのが新しい。気になったのは,劇中で,どうして主人公たちは日付と曜日が違っているのに気がつかないのか,ということである。学校に行ったりアルバイトしたりするときに曜日はかなり重要なはずだからだ。映像表現では,引き戸を閉めるときに,見ている人が戸に挟まれるようなカメラ配置がされていた。戸の開閉が何回かあるので,何か意味があるのかと思って注意してみていたが,特別な意味はないようだった。
映画の題名は「君の名は。」だが,誤変換の「キミの縄」が頭の中をグルグルしてしまい,どこかで団鬼六的な表現が出てきたらどうしようとドキドキした。「なんでこんなところに縄の跡が…?」みたいな。そして「キミ! 変な趣味してない?」とノートに書いたりするんじゃないかと。物語への没入感を削ぐので,縄のことは考えない方がいい。
Posted by n at 2016-12-15 17:11 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
Master Archive Index
Total Entry Count: 1957