藁包みの納豆を食べてみた。初めて食べた直包み。予想以上に美味しかった。
スーパーマーケットで,藁に包んである納豆が売られていた。「秋田名産 義家納豆」とある。税込み292円で少々値が張るが,思い切って購入することにした。
開けてビックリ。この手の納豆でよくあるのは,外側は藁だが開いてみると納豆はビニールに包まれているという,「なんちゃって藁包み」である。しかし,これは違った。藁が直(じか)に豆を取り巻いているではないか。
納豆は 100 g 入りで,だいたい2食分の量がある。藁から半分を器に移しかき混ぜてみると,糸の引きの強さが違う。この糸の強さは今までに経験したことがない。
味は「非常にあっさりしている」という印象。「変な嫌味がない」というか「雑味がない」という感じ。すっきりしているのだ。そして一番違うのが後味である。驚いたことに「爽やか」なのである。「爽やか」といっても,清涼飲料の爽やかさとは全く違う。「まとわりつくような感じがない」と言えばいいのだろうか。この爽やかさは言葉にするのが難しい。
製造元は 株式会社ヤマダフーズ。パッケージには納豆発祥の伝承が記されている。
今から約九百年前,後三年の役で八幡太郎義家が現在の秋田県横手市金沢町にある砦を攻めたとき,農民に煮大豆を供出させたところ入れ物が間に合わず俵に詰められて差し出されました。数日後,中で豆が香を放ち糸を引いているので,驚きつつ食べてみると美味しかったので広く伝えられたのが納豆の始まりです。本品は,この伝承に基づいた天然発酵の風味を現代に再現したものです。
なるほど,原点を見つめなおした製品ということになっている。それよりも感心するのは,最初に納豆を食べた人である。よくぞこの余りにも腐った姿の豆を食べたものだ,と言いたい。普通だったら,見ただけで捨てている。
さて,今年は大豆の価格が高騰し,納豆メーカーには痛手らしい。MSN-Mainichi INTERACTIVE 今日の話題 には次のように述べられている。
国産大豆: 価格高騰で豆腐・納豆メーカーが苦境に
国産大豆価格の上昇が続き、豆腐や納豆メーカーが苦境に陥っている。昨秋相次いだ台風による大豆の不作が原因で、大豆の平均落札価格は昨年の1.6倍、一昨年の4倍以上と高騰が続く。加えて、原油高のあおりで発泡スチロール製の小型容器の価格も上昇。“ダブルパンチ”に赤字転落を余儀なくされる企業も出始めた。
それでもめげずに美味しい納豆を作り続けて欲しいものである。
この納豆にハマリソウ。しかし高いのでなかなか手が出ない。「3個パック105円」の納豆にコストパフォーマンスで負けてしまう。
Posted by n at 2005-05-08 23:56 | Edit | Comments (2) | Trackback(0)
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美味しそうな納豆ですね。
自分は少し前に黒豆の納豆にはまりました。味がまろやかでこちらも美味しかったです。値段は普通の1.5倍くらいだったでしょうか。
ところでこの藁入りの納豆。大昔我が家ではラッパを吹きながら自転車でやってくるお豆腐屋さんから買っていたのを思い出しました。四半世紀くらい前のことです。
Posted by: yanagi at May 12, 2005 17:48私が知っているの四半世紀前の納豆は,確か薄いビニールに包まれていて,それが藁に包まれているものだったような気がします。
納豆売りと言えば,ひみつのアッコちゃんの最後の歌ですね。「アッコちゃん来たかと団地の外れまで出てみたが〜アッコちゃん来もせず用もないのに納豆売りが〜ハーハー〜ナットー」
黒豆の納豆というのは珍しいですね。はじめて聞きました。ちなみに,この藁入り納豆はワイズマートというスーパーマーケットで売ってました。
Posted by: n at May 13, 2005 22:11