駅の発車案内の「先発」と「次発」は,どちらが早く発車するのか? 早く発車する方に並びたいのに,実に分かりにくい。
駅の発車案内に,「先発」と「次発」というものがある。「こんど」と「つぎ」という表示もある。どちらが早く発車するのかが分かりにくい。分からないと困る。早く発車する方に並びたいからである。
京王線新宿駅の表示。「先発」と「次発」の表示がある。並ぶ位置を表示しているのだ。しかし,どちらに並べばよいのか。せっかく早く来たのだから,一番前に並びたい。間違った方に並ぶと悔しいのだ。
「先発」「次発」という表現について考えてみる。「先発と次発どっちが先なんだよ! 分からねぇよ」のように比較すると,答は明らかに分かる。「先なんだよ!」の通り,先に発車するのは「先発」である。「先発の次」はあるが,「次発の先」はない。
しかし,比較しない場合は状況が異なる。「先に発車するのはどちら?」と聞けば,「先発」という答が自然である。「次に発車するのはどちら?」と聞けば,「次発」が自然だろう。「次」も直後の意味になり得るのである。他にも「次」が「直後」の意味になる例がある。「詳細は次のようになる」などの表現がそうである。「次のようになる」は「直後に述べるようになる」と同じ意味である。確かに「直後」の意味もあるのだ。これが「先発」と「次発」を分かりにくくしている原因である。
「こんど」と「つぎ」という表現も同じである。「こんど」と「つぎ」はどちらが早い出発かと比較すれば,答は出やすい。「こんどの電車のつぎ」はあるが,「つぎの電車のこんど」はないことから,「こんど」が1番目,「つぎ」が2番目となる。それ以降も「そのつぎ」という表現ができるので,より合理的だと言えるだろう。しかし,この場合も「先発」「次発」と同様で,比較しないと答が出にくいというのも確かにある。
表示には,「先発」「後発」というのもあるらしい。これは分かりやすい。問題があるとすれば,これの後の電車の表現手段がないことである。無理やり「後々発」と表示するか,あるいは「表示しない」という手もある。
先発・次発が分かりにくいと思っているのは私だけではないようだ。「こんど/つぎ」「先発/次発・後発」 では,色々な駅の案内板を紹介している。エッセイ - 15 MAR 1998 も案内板を紹介していて,「時刻順に並べて,『こんど』や『先発』はやめてはどうか」と言っている。しかし,乗車位置を表示したい場合はやめにくい。
これも乗車位置の表示だが,分かりにくい。白と黄のどちらに並べばいいのか? これは東京メトロ東西線西船橋駅の表示である。恐らく「白」が1番目の発車である。「早く発車する」→「多くの人が並ぶ」→「ガイドの線は長めにする」と順に考えるのが自然だろう。白線の方が長いから早い発車となるのである。
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ホームに列車が無いときの案内では
主に関西
次に○番線(乗り場)に参りますのは
主に関東
今度○番線(乗り場)に参りますのは
主に関西では「次発」のとき以外は「つぎ」が一番早くなる。
ところが主に関東では「つぎ」が二番目になる。
ややこしうございます。
Posted by: bxr at April 07, 2010 11:28bxr さん
Posted by: n at April 07, 2010 23:01関西では順番が違うとは! 知りませんでした。これは興味深いですね。