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misc 若い娘の肖像が美しい

横浜美術館へ「ルーヴル美術館展」を見に行って来た。フランドランの「若いギリシア人の娘」が美しかった。

■ ■ ■

現在,横浜美術館では,「ルーヴル美術館展 19世紀フランス絵画 新古典主義からロマン主義へ」が開かれている。当日券は1500円。横浜美術館のホームページから割引券を印刷していくと100円引きになる。目当ての絵は,アングルの「泉」。これは予想通り素晴らしかった。その他の収穫は,フランドランの「若い娘の肖像」であった。

まずは,この絵である。作品のカタログ番号が「11」になっているが,入り口を入ると最初にこの絵がある(以降はほぼ番号通りの順番で展示されている)。

  • 11 ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル (Jean-Auguste-Dominique Ingres)
    • 泉 (The Source) 1820-56

透き通るような肌が美しい。うっすらと血管が透けているように見える。どのように絵の具を重ねればこの感じが出せるのだろうか? 不思議で仕方がない。胸は驚くほど小さい。しかし,それに勝る魅力がある。女性の魅力は胸の大きさではないのだ。この絵が見られれば十分だと思っていたが,他にも大きな収穫があった。

  • 46 イッポリット・フランドラン (Hippolyte Flandrin (1809-1864))
    • 若い娘の肖像――若いギリシア人の娘 (Study of a Gril (also called A Young Greek Woman)

イヤリングのあたりから,うなじにかけてが最高に美しい。薄い布地の白いブラウスを羽織っている。胸には白い下着をつけているのがうっすらと分かる。ふくよかな胸がほんの少しだけ覗いている。カタログには「女性はプロのモデル」と書いてあった。しかし,モデルがプロかアマかはこの際関係がない。美しければいいのだ。作家のフランドランについてもう少し詳しく知りたかったが,カタログを見ても1ページの3分の1くらいしか文章が埋まっておらず残念。この絵はそれほど知名度が高くないようで,絵の前に人が少なくて見やすいのは幸運だった。Tengo miedo に画像がある。

会場でボールペンを使っていたら,係りの人が「ボールペンのご利用はお断りしております」と言って鉛筆を貸してくれた。

その他に気になった絵の印象を書き留めておく。一言だけでも残しておくと,その言葉から絵を思い出すことができる。果たして1年後にも思い出すことができるだろうか。

  • 08 ジョゼフ=ニコラ・ロベール=フルーリ (Joseph-Nicolas Robert-Fleury)
    • 聖バルテルミの虐殺――コンティ公の養育係ブリオンの殺害,1572年8月24日
      • 暗黒面がいる。
  • 10 ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル (Jean-Auguste-Dominique Ingres)
    • スフィンクスの謎を解くオイディプス
      • スフィンクスは女性だったとは(無知なの)。
  • 15 アリ・シェフェール (Ary Sheffer)
    • 聖アウグスティヌスとその母,聖女モニカ
      • 背景がダリっぽい。
  • 16 ジャック=ルイ・ダヴィッド(アトリエ) (Jacques-Louis David (atelier))
    • マラーの死
      • ミスターに似ている。バスタブにシーツを敷いて入っているの?
  • 18 アレクサンドル=エヴァリスト・フラゴナール (Alexandre-Evariste Fragonard)
    • 代議士フェローの首と向き合うボワシー・ダングラース
      • 犬が血を舐めている。
  • 19 フランソワ=アンドレ・ヴァンサン (Francois-Andre Vincent)
    • ピラミッドの戦い(エスキース)
      • 敵,近すぎ。
  • 20 ジャン=ピエール・フランク (Jean-Pierre Franque)
    • エジプト遠征からのボナパルト帰還前のフランス国家の寓意
      • 短刀の下にシーサーがいる。よく見ると中央にピラミッド。
  • 22 オラース・ヴェルネ (Horace Vernet)
    • クリシーのバリケード――パリの防衛,1814年3月30日
      • 毛皮のリュックがかわいい。馬の肛門が描いてある。
  • 23 ウジェーヌ・ドラクロワ (Eugene Delacroix)
    • テンプル騎士団によるレベッカ略奪
      • 左下に倒れている人の首の位置がおかしい。
  • 27 ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル (Jean-Auguste-Dominique Ingres)
    • トルコ風呂
      • 奥の方で何か食べている女がいる。
  • 32 ドミニク・パプティ (Dominique Papety)
    • 泉水のギリシアの女たち
      • レンガ色の配色と空の対比が現代画っぽい
  • 33 アントワーヌ=ジャン・グロ (Antoine-Jean Gros)
    • 馬具をつけたアラブ馬の習作
      • 描きかけ。アラブ人は真っ白のまま。
  • 34 テオドール・ジェリコー (Theodore Gericault)
    • 白馬の頭部
      • 鼻の穴がビラビラ。
  • 36 アントワーヌ=ルイ・バリー (Antoine-Louis Barye)
    • 洞窟の前のライオン
      • 2匹ちょこんと座っていてかわいい。
  • 38 ジャック=ルイ・ダヴィッド (Jacques-Louis David)
    • シャルル=ルイ・トリュデーヌ夫人
      • 平山郁夫風のタッチ。
  • 43 テオドール・ジェリコー (Theodore Gericault)
    • 賭博偏執狂 (Woman with the Cambling Mania)
      • 臭い立つような迫力。
  • 44 テオドール・ジェリコー(に帰属) (Theodore Gericault (attribue a))
    • アトリエの芸術家
      • 尻が半分しか椅子に乗っていない。
  • 47 ポール・ドラローシュ (Paul Delaroche)
    • ナルシス=アシル・ド・サヴァンディ伯爵
      • 髭がライオンみたい。手がリアル。
  • 48 ジャン=バティスト・カミーユ・コロー (Jean-Baptiste Camille Corot)
    • 泉水のわきにたたずむギリシア娘
      • コローらしい。
  • 49 ジャン=バティスト・カミーユ・コロー (Jean-Baptiste Camille Corot)
    • 甲冑をつけた男――騎士
      • 少し雑。
  • 52 アシル=エトナ・ミシャロン (Achille-Etna Michallon)
    • 滝,ティボリ
      • 踊りに躍動感あり。木は下手。
  • 53 カルル・ヴェルネ (Antoine-Charles-Horace Vernet dit Carle Vernet)
    • 聖フルベルトゥスの祝日の鹿狩り,1818年,ムードンの森
      • 鹿をめがけて犬泳ぐ。
  • 54 テオドール・ジェリコー (Theodore Gericault)
    • 大洪水の風景
      • 「メデュース号の筏」に通じるものがある。
  • 55 ジャン=バティスト・カミーユ・コロー (Jean-Baptiste Camille Corot)
    • サン=ローの街の全景
      • 小さい絵なのに広々。
  • 58 ポール・ユエ (Paul Huet)
    • グランヴィル岬の砕け散る波
      • クールベかと思ったら,彼の友人だった。
  • 61 コンスタン・トロワイヨン (Constant Troyon)
    • 小さな群れ
      • トロワイヨンは牛の人。
  • 63 ルイ=レオポール・ボワイ (Louis-Leopold Boilly)
    • にわか雨
      • この頃から傘の形は変わっていないのね。
  • 64 レオポール・ロベール
    • アルコの聖母祭からの帰り道
      • 車の上に乗っている女性が美しい。
  • 67 アレクサンドル=ガブリエル・ドゥカン (Alexandre-Gabriel Decamps)
    • カード遊びをするスペイン人たち――カタルーニャ人たち
      • 木靴がバカでかい。
  • 68 ナルシス・ディアズ・ド・ラ・ペーニャ (Narcisse Diaz de la Pena)
    • 入らないでください!
      • どこに入ってはいけないのか分からない。
  • 69 フランソワ・ビアール (Francois Biard)
    • 四時,サロンにて
      • 皆さんスゴイ顔をしてらっしゃる。
  • 70 オクターヴ・タサエール (Octave Tassaert)
    • アトリエの中
      • 売れない画家がハンサム過ぎ。左上の絵にダークサイドが。
  • 71 オクターヴ・タサエール (Octave Tassaert)
    • 雪の日の子どもたち
      • 薄着で寒そう。
Posted by n at 2005-06-12 23:32 | Edit | Comments (3) | Trackback(0)
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Comments

横浜美術館、良い展覧会はやるんだけど建物が...。
絵を観させるというより、建物を観させるという美術館。
東京近辺にはこの手の建物が多いのが現実で残念です。

Posted by: kirin_3 at June 13, 2005 11:08

横浜美術館にてルーヴル美術館展みてきました。
出口付近の壁にあったカミーユ・コローの言葉「何よりもまず自然」(だったけかな?)にすごく共感したのですが
英語で「Nature Before…」英語が思い出せません。
素敵な言葉だったのでもし、ご存知の方教えて下さい。

Posted by: ぷ at June 27, 2005 13:28

ぷ さん
コローはフランス人なので,フランス語の英語訳かも知れません。となると Web で見つけるのは難しそうです。
たまたまこのサイトを見てから横浜美術館に行かれた人に望みをかけるしかありません。そんな奇特な方がいらっしゃるかどうか。
どなたかヘルプ!

Posted by: n at June 27, 2005 23:34
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