横浜美術館へ「ルーヴル美術館展」を見に行って来た。フランドランの「若いギリシア人の娘」が美しかった。
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現在,横浜美術館では,「ルーヴル美術館展 19世紀フランス絵画 新古典主義からロマン主義へ」が開かれている。当日券は1500円。横浜美術館のホームページから割引券を印刷していくと100円引きになる。目当ての絵は,アングルの「泉」。これは予想通り素晴らしかった。その他の収穫は,フランドランの「若い娘の肖像」であった。
まずは,この絵である。作品のカタログ番号が「11」になっているが,入り口を入ると最初にこの絵がある(以降はほぼ番号通りの順番で展示されている)。
- 11 ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル (Jean-Auguste-Dominique Ingres)
透き通るような肌が美しい。うっすらと血管が透けているように見える。どのように絵の具を重ねればこの感じが出せるのだろうか? 不思議で仕方がない。胸は驚くほど小さい。しかし,それに勝る魅力がある。女性の魅力は胸の大きさではないのだ。この絵が見られれば十分だと思っていたが,他にも大きな収穫があった。
- 46 イッポリット・フランドラン (Hippolyte Flandrin (1809-1864))
- 若い娘の肖像――若いギリシア人の娘 (Study of a Gril (also called A Young Greek Woman)
イヤリングのあたりから,うなじにかけてが最高に美しい。薄い布地の白いブラウスを羽織っている。胸には白い下着をつけているのがうっすらと分かる。ふくよかな胸がほんの少しだけ覗いている。カタログには「女性はプロのモデル」と書いてあった。しかし,モデルがプロかアマかはこの際関係がない。美しければいいのだ。作家のフランドランについてもう少し詳しく知りたかったが,カタログを見ても1ページの3分の1くらいしか文章が埋まっておらず残念。この絵はそれほど知名度が高くないようで,絵の前に人が少なくて見やすいのは幸運だった。Tengo miedo に画像がある。
会場でボールペンを使っていたら,係りの人が「ボールペンのご利用はお断りしております」と言って鉛筆を貸してくれた。
その他に気になった絵の印象を書き留めておく。一言だけでも残しておくと,その言葉から絵を思い出すことができる。果たして1年後にも思い出すことができるだろうか。
- 08 ジョゼフ=ニコラ・ロベール=フルーリ (Joseph-Nicolas Robert-Fleury)
- 聖バルテルミの虐殺――コンティ公の養育係ブリオンの殺害,1572年8月24日
- 10 ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル (Jean-Auguste-Dominique Ingres)
- 15 アリ・シェフェール (Ary Sheffer)
- 16 ジャック=ルイ・ダヴィッド(アトリエ) (Jacques-Louis David (atelier))
- マラーの死
- ミスターに似ている。バスタブにシーツを敷いて入っているの?
- 18 アレクサンドル=エヴァリスト・フラゴナール (Alexandre-Evariste Fragonard)
- 代議士フェローの首と向き合うボワシー・ダングラース
- 19 フランソワ=アンドレ・ヴァンサン (Francois-Andre Vincent)
- 20 ジャン=ピエール・フランク (Jean-Pierre Franque)
- エジプト遠征からのボナパルト帰還前のフランス国家の寓意
- 短刀の下にシーサーがいる。よく見ると中央にピラミッド。
- 22 オラース・ヴェルネ (Horace Vernet)
- クリシーのバリケード――パリの防衛,1814年3月30日
- 23 ウジェーヌ・ドラクロワ (Eugene Delacroix)
- 27 ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル (Jean-Auguste-Dominique Ingres)
- 32 ドミニク・パプティ (Dominique Papety)
- 33 アントワーヌ=ジャン・グロ (Antoine-Jean Gros)
- 34 テオドール・ジェリコー (Theodore Gericault)
- 36 アントワーヌ=ルイ・バリー (Antoine-Louis Barye)
- 38 ジャック=ルイ・ダヴィッド (Jacques-Louis David)
- 43 テオドール・ジェリコー (Theodore Gericault)
- 賭博偏執狂 (Woman with the Cambling Mania)
- 44 テオドール・ジェリコー(に帰属) (Theodore Gericault (attribue a))
- 47 ポール・ドラローシュ (Paul Delaroche)
- 48 ジャン=バティスト・カミーユ・コロー (Jean-Baptiste Camille Corot)
- 49 ジャン=バティスト・カミーユ・コロー (Jean-Baptiste Camille Corot)
- 52 アシル=エトナ・ミシャロン (Achille-Etna Michallon)
- 53 カルル・ヴェルネ (Antoine-Charles-Horace Vernet dit Carle Vernet)
- 聖フルベルトゥスの祝日の鹿狩り,1818年,ムードンの森
- 54 テオドール・ジェリコー (Theodore Gericault)
- 55 ジャン=バティスト・カミーユ・コロー (Jean-Baptiste Camille Corot)
- 58 ポール・ユエ (Paul Huet)
- 61 コンスタン・トロワイヨン (Constant Troyon)
- 63 ルイ=レオポール・ボワイ (Louis-Leopold Boilly)
- 64 レオポール・ロベール
- 67 アレクサンドル=ガブリエル・ドゥカン (Alexandre-Gabriel Decamps)
- カード遊びをするスペイン人たち――カタルーニャ人たち
- 68 ナルシス・ディアズ・ド・ラ・ペーニャ (Narcisse Diaz de la Pena)
- 69 フランソワ・ビアール (Francois Biard)
- 70 オクターヴ・タサエール (Octave Tassaert)
- アトリエの中
- 売れない画家がハンサム過ぎ。左上の絵にダークサイドが。
- 71 オクターヴ・タサエール (Octave Tassaert)
Posted by n at 2005-06-12 23:32 | Edit | Comments (3) | Trackback(0)
横浜美術館、良い展覧会はやるんだけど建物が...。
Posted by: kirin_3 at June 13, 2005 11:08絵を観させるというより、建物を観させるという美術館。
東京近辺にはこの手の建物が多いのが現実で残念です。
横浜美術館にてルーヴル美術館展みてきました。
Posted by: ぷ at June 27, 2005 13:28出口付近の壁にあったカミーユ・コローの言葉「何よりもまず自然」(だったけかな?)にすごく共感したのですが
英語で「Nature Before…」英語が思い出せません。
素敵な言葉だったのでもし、ご存知の方教えて下さい。
ぷ さん
Posted by: n at June 27, 2005 23:34コローはフランス人なので,フランス語の英語訳かも知れません。となると Web で見つけるのは難しそうです。
たまたまこのサイトを見てから横浜美術館に行かれた人に望みをかけるしかありません。そんな奇特な方がいらっしゃるかどうか。
どなたかヘルプ!