nlog(n): 禁煙4周年 - ニコチン摂取と喫煙習慣との分離

Mon June 20, 2005

禁煙4周年 - ニコチン摂取と喫煙習慣との分離

禁煙をしてから4年が経過した。禁煙に役立ったのはニコチンパッチであった。ニコチンパッチは，喫煙に依存してしまう2つの要因を分離するのに役立った。

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タバコを吸わなくなってから4年になる。私が禁煙を選択できたのは，ニコチンパッチのおかげである。

喫煙していると，1度は禁煙してみようかという気になる。禁煙を勧める多くの本や人は，「喫煙してもいいことは1つもない」ということを理由にする。確かにこれは正しい。ただし，これは禁煙に成功した人や，もともと喫煙したことのない人のセリフである。「悪いばかりなのに，なぜ喫煙するのか?」は当然湧く疑問である。当たり前だが，喫煙することでいいこともあるのである(nlog(n): 禁煙3周年 - タバコを吸ってよかったこともあった)。

私が禁煙前に行ったのは次の2つである。

喫煙のご利益と不利益を挙げる (考えられるもの全て)
喫煙を続けるか禁煙するかのどちらかを選択する

これは自分の心をニュートラルに保つのに絶対に必要なことだった。重要なポイントは，喫煙と禁煙を「選択する」ということである。どちらを選んでもよいのである (nlog(n): やらなければというプレッシャーから逃れる方法)。今の自分をよく認識した上で，ただ選ぶだけにする。もちろん喫煙続行を選んでもよい。それは単に禁煙する理由が喫煙する理由より少なかったに過ぎない。

喫煙と禁煙の選択が難しいのは，両者の間を簡単に往復できないことにある。喫煙したことのない人が喫煙するようになるまでには時間がかかるし，喫煙している人が禁煙するには，身体的・心理的な山を乗り越えなければならないからである。以下では禁煙を選択した場合の山の乗り越え方 ―ニコチン依存と喫煙習慣からの脱出方法― について述べる。

タバコの場合

タバコの場合，煙と一緒にニコチンとタールが口と肺から摂取される。ニコチンを体に取り込むのに，タバコを吸うという「行動」が伴うため，この「行動」が習慣となってしまう。ニコチンに対する身体的な依存と，習慣による心理的な依存という2つの依存関係が密接に関係しているために，タバコはやめられないのである。タバコを吸うことの大きな問題は，タールを同時に取り込んでしまうことである。ニコチンよりもタールの方が圧倒的に体に悪い。

ニコチンガムの場合

ニコレットなどのニコチンガムは，ニコチンを口内で摂取する方式である。ニコチンガムにはタールが入っていないので，タールによる害はなくなる。しかし，ニコチンを取り込むこととガムをかむという行動は関連しているため，ニコチン摂取と習慣との完全な分離はできない。

ニコチンパッチの場合

ニコチンパッチ方式は，ニコチンパッチを体に貼ることで皮膚からニコチンの摂取を行う。ニコチンを取り込むのに特別な行動をとる必要がないので，ニコチン摂取と習慣との完全な分離ができるのである。ニコチンパッチは病院の医師や歯科医から処方してもらうことができる。

タバコの吸殻と違い，ニコチンパッチは触っただけでニコチンが体内に吸収されてしまうため，子どもがいる場合などは誤って触らないように特に注意しなければならない。

気合だけでは禁煙はできない。「努力した結果の禁煙」では，小さなきっかけで喫煙生活に戻ってしまう。リラックスした気持ちで禁煙に取り組まなければ成功しない。身体的要因と心理的要因を分けるというのは，自分の心を納得させる理由の1つでしかない。肉体に作用するニコチンパッチは，その効果を考えるときに心理的にも作用する。理解することで心のコントロールをしているに過ぎない。

ごちゃごちゃ述べてきたが，もし本当に禁煙を望むのであれば難しく考える必要はない。体のことを心配してくれる人を身近に2人作るだけでよい。私の場合，歯医者と妻がその2人だった。