このメガネで眠っている右脳を活性化するのだ。実用新案で大金持ちだ(うっしゃっしゃ)。
現代人は左脳をよく使うが,右脳はうまく使えないというようなことをよく聞く。それならば,右脳だけを使うようなメガネを作ってかけていれば,右脳の働きが活発になるのではないか。
目から入った刺激は,視神経を通って脳に伝えられる。視神経は脳にいく前に交差しているから,右脳を活性化するなら右目を閉じて,左目だけが見えるようなメガネにすればよい。と思ったが,これは違う。
視覚路を簡単に描くと上の図のようになっている。頭を上から見たものである。視神経は中央で交差しているが,左目で見た映像が右の脳に送られる訳ではない。両目ともに,中心より左側の映像が右脳に送られるのである。左の映像→眼球の右側に写る→右の脳に送られる。
つまり,右脳活性化メガネはこの図のようになる。目の右側だけが見えないように塞いである。これをかけると,正面より左側しか見えなくなり,右脳だけが使われるのだ。正確には右脳全体ではなくて,右脳の「視覚野{しかくや}」が使われるのだけれども。
しかし,脳としては,右脳と左脳の両方がよく働き,しかもその両方が連携することで最高の能力が引き出される。つまり!
これこそが究極の両脳活性化メガネなのだ! って,普通のメガネじゃん!!
右脳活性化メガネで実用新案とれないかなぁ。取っても売れないか。
視覚路の参考文献: Schmidt, F. R (ed.): Fundamentals of sensory physiology, Springer (1981).
Posted by n at 2006-01-21 23:58 | Edit | Comments (1) | Trackback(0)
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脳活性化を視覚で行なうという発想の似たような商品があります。是非ご覧下さい。
Posted by: 松元 at November 26, 2006 17:56