神社の入り口にある狛犬には,驚いたことに子どもがいた。
船橋市の浅間神社{せんげんじんじゃ}には珍しい狛犬がいる (山野浅間神社 - Google マップ - 地図検索)。
向かって右側が阿形{あぎょう}で,口が開いている。一対の狛犬{こまいぬ}のうち,こちら側を「獅子」と呼ぶのが正しいとされる(狛犬 - Wikipedia)。
向かって左側にいるのが吽形{うんぎょう}で,口が閉じている。こちら側は「狛犬」と呼ばれる。狛犬には角があるとされるが,この狛犬に角があるかどうかは判別できない。
ここまではよく神社で見かける風景である。浅間神社の狛犬はここからが違う。
阿吽の「阿」の像の下に何かいる(黄色い丸の部分)。
こ,これは! 子どもの獅子ではないか!
上から見ると,崖の上から親獅子が子獅子を睨みつけているのが分かる。
つまり,「獅子の子落とし」の図になっているのだ。「獅子の子落とし」とは,産まれた我が子を千尋{せんじん}の谷に突き落とし,這い上がった子だけを育てるという俗説である。獅子と狛犬のうち,狛犬ではなく獅子の方が子を突き落としているという点は正解。しかし子を突き落とすとされるのは,実はライオンである(ライオン - Wikipedia)。もともと神社の「獅子」は空想上の生き物であって,ライオンではない。したがって,この点で残念ながら不正解なのであった。狛犬が子を谷へ落とすというのは,ナイスなアイデアではあるのだが…。
もともと別のものである獅子とライオンが混同されるようになったのは,かなり古いことのようだ。歌舞伎の「連獅子」は獅子の子落としの話で,この時すでにライオンのイメージが混入されている(試論:獅子物舞踊のはじまり)。作られたのが文久元年というから,幕末の 1861 年ということになる。
空想上の動物といえば,麒麟とキリンの混同もある。キリンビールのロゴの「麒麟」と動物園にいる「キリン」ではかなり違うが,この混同についてはちゃんとした起源があるようだ(麒麟 - Wikipedia)。
明の鄭和による南海遠征の際に取得された実在の動物のキリンが永楽帝に麒麟として献上されたことがキリンの和名の起源である。
神社からの帰り道,木に生った{なった}まま腐っているミカンを見つけた。そして思わずこう叫んだ。(狛犬とはまったく関係なし)
「腐ってやがる。遅すぎたんだ(実を取るのが)!!」 (by クロトワ)
「なぎはらえ(もし木が枯れたら)!!」 (by クシャナ)
Master Archive Index
Total Entry Count: 1957
ナウ歯科って名前の歯医者を以前何かで見たのを思い出しました。
Posted by: yanagi at February 08, 2006 10:28> ナウ歯科
Posted by: n at February 09, 2006 06:57こりゃうまい。探してみたいですね。