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HardwarePhoto ATX 電源ユニット購入

ATX 対応の電源ユニットを購入した。ちょい古めのパソコン用に購入する際の注意点についてまとめておこう。

■ ■ ■

デスクトップパソコンの電源が入らなくなってしまった(nlog(n): 電源ユニット破損か)。原因は電源ユニットなので,新規に購入することにした。購入のポイントは次の2点。

  • 静かなこと
  • 安いこと

この条件を満たす EVER GREEN 社製 SILENTKING-4 を購入した。DOS/Vパラダイス池袋店で 4480 円(税込)。購入にあたっての注意点を店員さんにお聞きした。

「ちょっと古めのマシン用」に購入する際のチェックポイントは次の5点。勉強になるなぁ。

  • ケースに大きさが合っているか
  • ケース内部に通気口は確保されているか
  • ケースのネジ穴の位置は合っているか
  • 総電力が足りているか
  • マザーボードが -5V 電源を必要としていることはないか

折角なのでクワワッ! とリキを入れて残しておこう。

まず大きさが合っていなければ話にならない。フルタワー型とミドルタワー型ならほぼ問題ない。それよりも小さいミニタワー型では,小さい電源を使っている可能性があるので,注意が必要。小さい電源はそれほど一般的でないため手に入りにくく,値段も張る。パソコンは小さいことに越したことはないが,壊れたときには高くつくのだ。

第2はケース内部通気口,つまり空気の通り道である。3年前は,ケースの外側に面した部分に 8 cm のファンがついているものが主流だった。そしてファンの反対側に吸気のための通気口があった。空気の流れが直線的なのでストレートタイプと呼ばれることもある。ところが現在は,底面に 12 cm のファンがついているタイプが主流になっている。低回転で大きな空気の流量を確保できる。ファンが低回転だと,静音化につながるからである。12 cm ファンの問題は,底面についていることである。ケースによっては底面が閉じられているものがあるのだ。底面に通気口がないケースで 12 cm ファンのタイプを使うのは,発熱の面で非常に危険である。

第3もケースに関連している。上述のように,かつて主流だったストレートタイプは前後に空気を流すため,上下はどちらでもよかった。したがって,昔のケースには 12 cm ファンの底面が上になってしまうタイプが存在する。見分け方はネジ穴の位置である。

ATX 電源ユニットのネジ穴配置
ATX 電源ユニットのネジ穴配置


ネジ穴は上下に2つずつ合計4つある。よく見ると上下でネジ穴の間隔が違うことが分かる。底面側の方が間隔が長いのだ。したがって,ケースは下の穴の間隔が長ければよいことになる。

第4は必要な総電力である。総電力とは,パソコン内部の機器で使う電力の合計である。マザーボード(CPU),ハードディスク,DVD/CD-ROM,その他周辺機器がこれにあたる。気をつけなければならないのは,グラフィックカードである。グラフィックカードには大きな放熱板やファンがついていることから分かるように,大きな電力を消費する。メーカーは,同じタイプで異なる電力量の製品を出しているので,その中から必要なワット数のものを選択すればよい。電源ユニットのワット数は最大値なので,基本的には大きければ問題がない。ただし,通常使用時の電力とファンの音も(若干)大きくなる。

最後はマザーボードに関連するポイントである。古いマザーボードは -5V の電源を必要としていたが,現在は不要になっている。-5V 電源が必要かどうかは,チップセットである程度推測できる。インテルの 845PE 以降であれば,まず問題ないとのこと。微妙なのは 845E や 845G で,このあたりには -5V が必要なものとそうでないものが混在しているとのことだった。

新旧2つの電源ユニットの仕様は以下の通り。

TORICA社製 Sei II 300W (SEI2-300NFS)
入力 100-127V/200-240V 10A/5A 60Hz/50Hz
出力電圧 +3.3V +5V +12V -12V -5V +5VSB
最大電流容量 28A 30A 15A 0.8A 0.3A 2.0A
+3.3V&+5V 最大総電力 220W - - -
最大総電力 300W - -


EVER GREEN社製 SILENT KING-4 350W (LW-6350H-4)
入力 100-127V/200-240V 60Hz/50Hz
出力電圧 +3.3V +5V +12V(1) +12V(2) -12V -5V +5VSB
最大電流容量 22A 21A 10A 15A 0.5A 2.0A
+3.3V&+5V 最大総電力 130W - - -
最大総電力 350W - -

SILENT KING-4 には,次の注意書きがあった(上の表の※の説明)。

※本製品はATX12の規格に従って -5V のラインが省略されております。 ISA規格の拡張カードを組み込んだシステム,またはATX12策定以前の システムでは動作に制限が出る場合がございます。

ここにあるように,ISA のスロットが存在するかどうかも,-5V が必要かどうかの判断に使えるのかも知れない。

電源ユニットは考えていたよりも故障しやすいようだ。内部のコンデンサの消耗などが原因としてあげられる。店員さんの経験では,寿命は平均3年〜4年だという。それを超えれば,もう少し長くもつものもあるそうだが,それはアタリということで。3年で壊れてもハズレを引いたということではないらしい。

箱に印刷されている保証書
箱に印刷されている保証書


SILENT KING-4 の唯一の欠点は,保証書が箱と一体化していることだ。これでは箱が捨てられない。

電源ユニットについては,PCメンテナンス&リペア・ガイド:第6回 意外に故障の多いパーツ「電源ユニット」の基礎 に詳しい解説がある。

Posted by n at 2006-06-08 22:31 | Edit | Comments (0) | Trackback(0)
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