私は日本の近代史について知らないことが多いのを痛感する。政治家の靖国神社参拝問題についても自分の意見が持てない。情報が少なすぎるのだ。
今や「インドネシアのスカルノ大統領の元夫人」というよりも「バラエティに出てくるおばさん」のイメージが強いデビ夫人だが,Sankei Web 【ソウルからヨボセヨ】デビ夫人の健闘(07/22) によればしっかりした意見を持っている。
韓完相総裁との会見の際、こんな場面があった。
居合わせた知人から後で聞いたのだが席上、デビ夫人が「ひとつお願いがあります」と言って靖国神社問題で日本に対する理解を求めたというのだ。彼女の話は「韓国人の気持ちは分かるが、靖国神社は日本人の文化、歴史、心の問題です。合祀(ごうし)されているA級戦犯は死刑を宣告され処刑されており、罪があったとしても処刑によって罪は終わっているのです。日本人の多くはそう思っています」というものだった。
進歩派で親・北朝鮮的な学者出身の韓総裁はいわゆる「A級戦犯分祀」論で反論したがタジタジだったという。彼女は「ヨーロッパでは60年以上もたって戦争などのうらみを言ってる国はありません」などとも言ったそうだが、立派なものだ。
立派である。私は自分自身でここまでしっかりした意見を持っていない。近代日本史やアジア史について知らないことが多すぎるからだ。知らなければ意見は持てないのだ。まったく基本がなってない。
靖国神社はA級戦犯を祀{まつ}っている。これは知っている。しかし,「祀る」ということは神として崇めることだが,彼らは神ということでいいのか。A級戦犯の罪状はどのようなものだったのか。他の軍人はどこに葬られているのか,犠牲になった民間人はどこに埋葬されているのか。中国や韓国は何にそれほど怒っているのか。中国や韓国が軍国主義反対というのなら,自国で大きな軍隊を持っていることをどう説明しているのか。植民地支配をしたことが問題なのか。植民地支配をしていたことのある,フランス,イギリス,ポルトガル,スペイン,オランダ,ロシアなどは,植民地だった国からどう思われているのか。
本日,終戦記念日に小泉総理大臣が靖国神社に参拝した。これについて,単に賛成や反対と言うだけでなく,しっかりとした理由をつけて意見を述べられるだろうか。私に関して言えば,恥ずかしい話ではあるが,できないのである。これは受けてきた教育にも原因がある。
日本の歴史について詳しく知っているのは縄文時代と戦国時代である。歴史の教科書が厚いため,近代日本史にたどり着かないうちに1年の授業が終わってしまうからだ。近代日本史については,その内容がどう書かれているかは問題にもならない。もともと授業でやらないからである。
文部省(現文部科学省)は次の2つの点において,中学校と高校の教育で成功を収めている。
知らないことは多くあるのは問題である。だからと言って,知りたいとも思わないのが,もう1つの大きな問題でもある。
Posted by n at 2006-08-15 23:58 | Edit | Comments (2) | Trackback(0)
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私も長いこと「靖国問題」について、理解の糸口さえつかめない状態でした。
いろんな問題を含んでいるから、わからないんですよね。
・近代史をよく知らない
・東京裁判についてよく知らない
・神社のスタンスをよく知らない
中條高徳さんの「おじいちゃん戦争のこと教えて」
という本を読んで、「なぜ知らないか」わかりました(笑)
海外の人の誤解は、まさに「神として祀る」ことにあるのでしょうね。
神道は古来より日本のアニミズムとして、いろんな神様がいました。
そしてもう一つ、荒ぶる魂を(祀ることによって)諌めるような役割があったようなのです。
菅原道真は、当時の政治によって非業の死を遂げた人ですが、今では受験シーズンにお参りする神社に祀られていますよね。
Posted by: 塩 at March 26, 2007 09:35このような事は、一神教の概念では理解不能だと思います。
デヴィ婦人の言った「日本人の文化、歴史、心の問題」というのは、このあたりの事ではないでしょうか?
塩 さん
Posted by: n at March 27, 2007 01:05実は,私も「神として祀る」がどのような意味を持っているのかを理解していません。菅原道真は確かに祀られていますが,それと同じだと考えるのは危険だと思います。
このあたりに関しては,推測ではなく,実際に靖国神社がどのような形でA級戦犯を祀っているのかを知る必要がありそうです。
と,正論を言ってみましたが,調べる気力が湧きません。